5Gで使用されるミリ波帯(28GHz帯)は、大容量・高画質の情報を高速で伝送することが可能だが、建造物や遮蔽物による電波が届かない不感地帯が発生しやすいという課題がある。
これに対して、通信会社による5G基地局や中継局の増設などの試験的な対策が講じられているが、コスト増加の抑制や設置場所の確保などの問題が発生している。
この問題解決のため、日本電気株式会社(以下、NEC)はミリ波帯の利活用を目指し、企業や大学、団体との共創活動を展開している。
一方、TOPPANホールディングス株式会社は、電子部品の製造で培った技術を活用し、電波を制御するメタサーフェス構造を有する軽量でフレキシブルなミリ波反射シートの開発に取り組んできた。
こうした中、NECとTOPPANホールディングスは、5G通信の電波が届かない不感地帯の問題解決を目指す共同実証を、2024年4月に開始すると発表した。
この共同実証では、NECの28GHz帯のローカル5G基地局と、TOPPANホールディングスが開発したミリ波反射シートを用いる実験を行う予定だ。NEC CONNECT 5G Labで、意匠性のあるミリ波反射シートを使用し、5Gの室内電波不感エリアの解消を目指す。

なお両社は昨年、ミリ波反射シートによる電波通信品質改善に関し、既に事前検証を実施しており、今回の実証では、実利用シーンに近い試験環境での通信品質改善の効果について検証する予定だ。
また、両社はそれぞれ保有するラボ、NEC CONNECT 5G LabとTOPPAN DIGITAL SANDBOXをベースに、5G/6Gのビジネス探索の観点で共創活動を強化していくと述べている。
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