自律的にタスクを実行するAIエージェントへの注目が高まる中、重要な社会インフラである通信ネットワークの運用において、外部の汎用クラウドAIプラットフォームに依存することは、機密データの流出やシステムの内側からの不正操作といった重大なリスクを伴うことが課題となっていた。
こうした中、ソフトバンク株式会社は、通信ネットワークの安全な自律運用のためのフルスタックソブリンAIアーキテクチャと技術基盤に関する取り組みを発表した。
同基盤は、通信分野に特化した独自の大規模モデル「Large Telecom Model(LTM)」と、多層的なセキュリティ機構を垂直統合し、AIの学習から推論、実行に至るすべてのプロセスを外部に依存せず自社内で一元管理するシステムだ。

ソフトバンクでは、この自社専用のソブリンAI基盤の構築と導入をすでに進めている。
具体的には、通信ドメインに特化した独自の大規模モデル「LTM」を開発するとともに、実際の運用データから個人情報を含まない合成データを生成する「NVIDIA NeMo」などの匿名化技術を大規模に導入している。
さらに、AIエージェントの動作を隔離する「サンドボックス」や、入出力をリアルタイムに制御する「ガードレール」といった多層的な防御機構を組み込んでおり、機密データを直接扱うことなく安全にAIの学習と精度向上を継続できる体制をすでに確立している。

現在はすでに構築されたこれらのAI基盤をベースとして、実際のネットワーク運用に向けたユースケースの開発が進められている段階だ。
一例として、シミュレーション環境で設定を試行錯誤し、安全性が確認されたもののみを現実のネットワークに適用するAIエージェントフレームワークなどが構築中である。
さらに今後は、自社で展開予定のAIデータセンター向けソフトウェアスタック「Infrinia AI Cloud OS」上でこのLTMを動作させる計画となっている。

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