スマートホームを開発するネスト・ラボは10月6日、「ワークス・ウィズ・ネスト」(Works with Nest)プログラムに関する多くの変更点や最新情報を発表し、コネクテッド・ホーム製品を開発する開発者のための最も包括的なプラットフォームを創設した。
具体的な変更点や最新情報は、以下のとおり。
- ネスト・ウィーブ(Nest Weave) – ネストによって開発され、以前はネスト製品のみで使用されていたこの通信プロトコルは、機器相互間および機器とネスト製品との直接通信を可能にする。ネスト・ウィーブによって、電力に制約がある機器、低遅延や冗長性を要する機器を接続することができ、家庭内にある製品の接続に関連する多くの課題が解決される。エールのライナス・ロック(Linus lock)がネスト・ウィーブを使用する最初のワークス・ウィズ・ネスト製品となる。
- ネスト・カム(Nest Cam)API – 新しいカメラAPIにより開発者は初めて自社製品をNest Camと接続させることができるようになった。オーガスト、ミモ、ペットネット、フィリップスヒュー、スカイベルが、ネスト・カム(Nest Cam)との連携機能の使用を最初に開始するサードパーティー製品となり、家庭内での安全性と状況認識の向上を実現する。
- ワークス・ウィズ・ネスト・ストア – ワークス・ウィズ・ネスト・ストアは、すべてのワークス・ウィズ・ネスト製品のオンラインカタログだ。ネスト開発企業は、自社製品を顧客が見つけて利用しやすいようにストアでの自社製品の掲載を申請できる。
1万1000人の開発者が、クラウドを通じたネスト製品との接続のためにネストのAPIにアクセスし、8件に1件のネスト・ホームでワークス・ウィズ・ネストによる連携機能が利用されている。
開発者は、エネルギー価格が高いときには動作しないことを認識している家電から家の中に煙を感知すると点滅する電球まで、あらゆる製品を開発した。
ネスト・ウィーブは今、開発者にネスト製品と連携するためのまったく新しい方法を提供している。
ネスト・ウィーブをワークス・ウィズ・ネストプログラムに追加することで、あらゆる製品、電力に制約のある製品さえもネスト製品と接続できるようになる。
ネスト・ウィーブまたはネストのクラウドAPIを用いることで、開発者は、自社独自のユーザーエクスペリエンスの制御を維持しながら、「在宅中」および「外出中」状態、煙および一酸化炭素警報、モーションおよび音警報、ピーク電力ラッシュアワーイベントなどの情報にアクセスし、iOS、Androidおよびウェブ全体にわたって興味深く、意義のある連携機能を作成することができる。
また、開発者は、自社の製品とネストアプリを統合し、その製品のワークス・ウィズ・ネスト・ストアでの掲載を申請できる。
さらに、自社の事業を拡大するために、開発者は、ネストと世界中の40社8000店舗を超える小売業者、設置専門業者および電力会社との取引関係を活用することができる。
ネスト・ウィーブ:安全性、堅牢性および信頼性に優れた家庭向け通信規格
ネスト・ウィーブは、Wi-Fiおよびスレッド(Thread)を含む家庭内のネットワーク全体にわたってデバイス間の安全で信頼性の高い直接通信を実現する。
既存の通信プロトコルと異なり、ネスト・ウィーブは信頼性が高く、コンパクトで安全性と拡張性に優れている。
簡単なソフトウエアのアップデートで、各機器はネスト・ウィーブを使用してネスト機器と直接通信できる。
- 信頼性 – ネスト・ウィーブは、複数のネットワーク全体にわたって信頼性の高いメッセージングを行う。ネスト・ウィーブは、スレッドを 介して実行されるため、安全で、自己修復性を持つメッシュネットワークと連携できる。したがって、1つの機器が故障するか、Wi-Fiが停止しても、他の機器は正常に稼働し続ける。この特長は、煙探知器やセキュリティシステムなどの安全製品やセキュリティ製品で特に重要になる。
- 遅延 – 照明のスイッチを入れるとき、またはドアのロックを解除するときに遅延時間を必要とする人はいません。ネスト・ウィーブを使用すると、各機器は他の機器と直接通信できるため、大規模なメッシュネットワークでも、100ms未満のエンドツーエンドの遅延時間で対話できる。
- 範囲 – ネスト・ウィーブがスレッドを介して実行される場合に、電力を供給されている各機器が無線エクステンダーとして機能して情報を転送する。この特長は、Wi-Fiが家庭内の隅々まで届かない場合に非常に重要になる。
- 電力と容量 – ネスト・ウィーブ通信プロトコルはコンパクトであり、わずか64KBのRAMを搭載した単一のMCUで動作。また、スレッドとウィーブを使用する機器は、1個の電池で何年にもわたって動作する。この特長により、小型の低電力製品における多くの問題が解決する。
- セキュリティ – ネスト・ウィーブは、ネットワークセキュリティだけに依存せずに、独自の独立したエンドツーエンドのアプリケーション層のセキュリティを提供する。ネスト・ウィーブのセキュリティスタックには、アプリケーション固有の暗号鍵が設定されているため、ハッカーがテラスの照明を操作してフロントドアを解錠することはできない。
- 簡単な設定 – 接続されている機器のペアリングは、厄介な作業だ。ネスト・ウィーブでは、ネストアプリを使用して、スマートフォンから直接接続設定を行うことができる。
自社製品でネスト・ウィーブを使用することを公約しているブランドの最初のリストには、ビッグアスソリューション、ダイキンノースアメリカ、GEブランド照明制御、ハンターダグラス、アイホーム、ルグラン、LIFX、ルートロンエレクトロニクス、P&G、フィリップスヒュー、ラチオ、ソムフィ、スカイベル、タイコ、WeMo(ウィモ)が含まれている。
また、GoogleのOnHub(オンハブ)ルーターも、今後ネスト・ウィーブと連携する予定だ。
開発を促進するために、ダイログ、フリースケール、クアルコムの子会社であるクアルコムテクノロジー、およびシリコンラボが、ネスト・ウィーブ認定キットを提供し、ワークス・ウィズ・ネスト開発者が自社のネスト・ウィーブ製品をできるだけ迅速に立ち上げて稼働できるよう支援する予定。
エールによるライナス・ロック:ネスト・ホームのために制作されたドアロック
スレッドを介してネスト・ウィーブを使用する、エール製のライナス・ロックは、住宅用のコネクテッド・ドアロックだ。
このドアロックを使用すると、人々はドアの開閉を確認したり、パスコードを設定して家族や来客に異なるレベルのアクセス権限を付与し、その出入りを確認したりすることができる。これらはすべて、ネストアプリから行う。また、遠隔からドアの施錠/解錠や確認を行うことができるので、もうドアの鍵の閉め忘れを心配する必要はなくなる。
また、ライナスによって、安全警報やセキュリティ警報が通知されるほか、日次、週次および月次のホームアクセスレポートが送信される。ネストと連携することによって、ライナスは、市場に出回っている他のどのドアロックよりも、お客様のセキュリティを強化し、その利便性と洞察力を向上することができる。
ネスト・カムと連携する、新しいカメラAPIを搭載した製品
ネスト・カムは、使いやすいクラウドベースの監視用ビデオカメラとクラウドサービスだ。
ネスト・カムを利用することで、人々はどこにいても常時家の中で起こっていることを把握することができる。
ネスト・カムは、既に他のネスト製品との連携が可能。たとえば、ネスト・プロテクト(Nest Protect )が煙を検知すると、自動的に録画を開始できる。
今回、ネストの新しいカメラAPIが提供されることにより、開発者は、自社製品をネスト・カムと接続して、家庭内の安全性と状況認識の向上を実現する連携機能を構築することも可能になる。ネスト製品およびサードパーティー製品と連携できるということは、市場に出回っている他のコネクテッド・カメラよりも人々のために多くのことができることを意味する。
ネスト・カムとの連携機能を導入する最初の開発者は、次の通り。
- オーガスト – 誰かがドアを解錠すると、ネスト・カムによって、オーガストアプリから直接見ることのできる短い動画が表示される。
- スカイベル – スカイベルからネスト・カムの電源をオン/オフできる。また、家族全員が外出時にネスト・カムでモーションが検知されると、スカイベルに通知が送信され、録画が開始される。
- ミモ – ミモ・ワンジー&ベビー・モニターは、赤ちゃんが睡眠中の状態を監視できる。赤ちゃんが目覚めると、Mimoは、ネスト・カムと連携して、子供部屋の様子を両親に表示する。
- ペットネット – ペットが餌を食べているとき、ペットネットはネスト・カムと連携して、ペットネットアプリにスナップショットを送信し、その様子を家族に表示する。
- フィリップスヒュー – 家族全員が外出しているときに、ネスト・カムでモーションが検知されると、フィリップスヒューの照明があたかも誰かが帰宅したかのように点灯する。
ヘイワード、ヒートワークス、ウェザーバグの製品をはじめ、その他の新しいワークス・ウィズ・ネスト製品の詳細については、Nestサイト参照。
サービスの利用可能状況
- 現在カメラAPIは、現在開発者に提供可能。オーガスト、ミモ、ペットネット、フィリップスヒューおよびスカイベルの連携機能は、今月提供可能。
- 開発者は、現在developer.nest.comで申請すると、自社製品をワークス・ウィズ・ネスト・ストアに掲載できる。このストアは、年内に利用できるようになる。
- ネスト・ウィーブ、ネストクラウドサービスおよびネストアプリの連携機能は、2016年に開発者に提供可能になる予定。
- エールのライナス・ロックは、2016年に提供可能になる予定。詳細はこちら。
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