通常、ドローンにより夜間警備を行うには、警備者がドローンのカメラからのリアルタイム映像を見て、違和感や異常がないか常に監視する必要がある。
こうした中、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下 NEDO)、KDDI株式会社は、1人の遠隔操縦者がドローン3機を太陽光発電施設3拠点(3空域)で夜間に同時運航する実証に成功した。
この実証では、太陽光発電施設内の銅線盗難などに対するドローン警備の有用性を評価するべく、多数機同時運航によるシステム・オペレーション評価を目的に実施した。

具体的には、太陽光発電施設3拠点へのドローンポートの配置および、ドローンのサーマルカメラを用いた人物検知を行う環境を整えることで、夜間における遠隔地からのドローン多数機同時運航と、ドローンによる夜間警備の有効性を確認した。

これにより、広範囲を短時間でカバーすることができるほか、従来の人による巡回に比べて効率が向上する可能性があることが確認された。
また、1人の操縦者が複数のドローンを管理することで、警備にかかる人件費を削減することができる可能性があることが確認された。
さらに、不審者の追跡や、機体・システムの異常が同時に発生した場合の課題を確認し、今後のシステム機能や運航管理品質の向上に活用するとのことだ。
今後は、機体や運航管理システムのさらなる自動化・自律化に伴い、操縦者の役割および運航管理体制も変化することから、実証の知見を多数機同時運航に関する官民で取り組む制度設計にも役立てるとしている。
加えて、実証や実環境での複数機の長期運用や運用データの蓄積と、さらなる運用改善を進めていく計画だ。
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