生成AI技術が急速な進化を遂げる中、社会インフラとしての役割を担う金融業界においては、高度な安全性と正確性が求められている。
そのため、AIを活用した金融インフラのレジリエンス向上やサイバーセキュリティ対策は、個別の企業や特定の領域にとどまらず、業界横断で知見を共有し連携して取り組むべき喫緊の経営課題となっていた。
こうした中、日本電気株式会社(以下、NEC)とAnthropic PBCおよび、MS&ADインシュアランスグループホールディングスをはじめとする金融機関8社は連携し、金融分野におけるAIの新たな価値創出と社会実装に向けた取り組みを開始したと発表した。
同取り組みは、最先端のAI技術と各社が持つ金融業務の深いナレッジを掛け合わせ、高い信頼性が求められる金融業界においてセキュアかつ実践的なAI活用モデルを構築する共創プロジェクトだ。
今回の連携は、NECとAnthropic社が2026年4月より推進している、エンタープライズ領域におけるAI利活用に向けた戦略的協業の一環として実施される。
参画する金融各社が開示可能な範囲で業種・業務に関する知見を持ち寄り、業界の枠を超えた協働体制を築くことで新たな価値創出に取り組む。
具体的には、大きく3つの領域で検討と共創を進める。
第一に、AIの導入による顧客への新たな付加価値の提供やユーザ体験の改善といった、金融サービスの品質向上である。
第二に、先進的なAI技術を活用したオフィスワークの効率化や業務改革を通じた、働き方の高度化と生産性の向上だ。
そして第三に、クラウドシフトやITモダナイゼーションを通じたサイバーセキュリティ環境の強化であり、サイバー攻撃の脅威や事業変化にも対応可能な安全性とレジリエンスの向上を目指すとしている。
各社は今後、NECとAnthropic社を中心とした協働体制のもと、日本におけるAIの活用可能性を拡大し、金融分野におけるイノベーションの創出や社会課題の解決に取り組んでいく計画だ。
NECの執行役副社長である吉崎敏文氏は、「金融機関が保有する深い業務ナレッジに、Anthropic社の先端AI技術とNECの知見・実装力を掛け合わせることで、日本市場におけるAIの可能性を最大限に引き出していく」と述べている。

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