本田技研工業株式会社(以下、Honda)は、車両周辺の死角をカバーし、交通事故の回避やドライバーの運転負荷の軽減をサポートする全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+(ホンダ センシング サンロクマル プラス)」を発表した。
「Honda SENSING 360」は、フロントと各コーナに計5台のミリ波レーダを装備することで、360度センシングする全方位安全運転支援システムだ。2022年に中国で販売されたCR-Vから搭載を開始している。
従来の運転では目視での確認が難しかった車両周辺の死角をカバーすることで、他の車両や歩行者との衝突回避や、運転に伴うドライバーの運転負荷を軽減させることを特長としている。
今回発表された「Honda SENSING 360+」は、従来の「Honda SENSING 360」の機能に加え、新たにドライバーモニタリングカメラや高精度地図を採用することで、ドライバーの状態確認や、車両の制御機能を向上させている。これにより、健康起因やヒューマンエラーで発生する事故を抑制する。

具体的には、ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能が搭載されており、高速道路や自動車専用道を走行中に、システムがアクセル、ブレーキ、ステアリングを操作し、ドライバーがハンドルから手を離しても(ハンズオフ)、車速や車線内の走行を維持できるよう支援する。
高精度地図、全球測位衛星システム(GNSS)を活用し、自車の位置を特定する。先行車がいない場合、ハンズオフでも設定した車速を保ちながら、車線の中央を維持するように走行し、先行車がいる場合には、適切な車間距離を保って追従する。
カーブでは、曲率を前もって読み取り、曲率に応じた加減速を行うことで運転できるように支援する。

レコメンド型車線変更支援機能では、ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能により、高速道路や自動車専用道を走行中に自車より車速の遅い先行車を検知すると、一定の条件下でシステムが周囲の状況を判断する。
追い越し可能と判断した場合、ドライバーに通知したうえで、ドライバーが手元のスイッチで追い越しを承認すると、ウィンカー操作や加減速、ステアリング操作を行い、追い越しや車線復帰を支援する。
さらに、経路誘導モードでは、ナビの経路案内にもとづき、目的地に向かうための車線変更を提案する。ドライバーの承認が得られると、システムが自動的に分岐進入、退出までの一連の車線変更を行う。

他にも、カーブを走行する際警告や減速支援を行う「カーブ路外逸脱早期警報」や、駐停車中に後側方に接近する車両を検知し注意喚起する「降車時車両接近警報」、運転を継続できなくなった場合に減速・停車を支援する「ドライバー異常時対応システム」が搭載されている。

ドライバーがシステムからの操作要求に応じなかった場合、段階的に警告音を強めていき、ドライバーが操作要求に応じるように促す。
それでも応じなかった場合は、ハザードランプとホーンで周囲に注意喚起をしながら、同一車線での減速・停車を支援する。
さらに、緊急通報サービス「HELPNET」でコールセンターへ接続し、ドライバーや同乗者、周囲の交通参加者の安全を確保する。なお、「HELPNET」の利用はアプリのダウンロードが必要だ。

今後「Honda SENSING 360+」は、2024年に中国で「ACCORD(アコード)」から適用を開始し、その後、グローバルでの展開を予定している。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。