MENOU、AIとオートフォーカスで複雑形状製品の外観検査を自動化する撮像システム「MENOU-AiF」を開発

製造業における部品や製品の外観検査工程では、AIを活用した自動化の取り組みが広く進められている。

しかし、立体的な形状をした製品や複雑な構造を持つ部品においては、単一の固定カメラによる一方向からの撮影だけでは、死角に入った細かなキズや凹凸を十分に検出することが困難であった。

そのため、従来の自動光学検査システムではピントのズレや死角が発生しやすく、結局は検査員が製品を直接手にとって角度を変えながら目視で確認する工程に頼らざるを得ないという、現場の自動化推進における課題が存在していた。

また、これらの製品を正確に撮影するためには、複雑な固定用治具(じぐ)を個別に設計・製造する必要があり、その設計コストや運用の手間も自動化のハードルとなっていた。

こうした中、外観検査AIの開発・提供を手がける株式会社MENOUは2026年8月4日、これまで自動化が難しかった複雑な形状の製品に対応するAIオートフォーカス撮像システム「MENOU-AiF(メノウ エイエフ)」を開発したと発表した。

同システムは、AIが製品形状に応じて最適なフォーカス位置を判断してピントを合わせる撮像技術と、協働ロボットを融合させた撮像・判定システムだ。

これにより、人間が手元で製品の角度を変えながらピントを合わせて確認する一連の目視動作を再現することができ、複雑な治具を不要にしながら、多視点かつ高精度な外観検査を一貫して自動化する。

一般的な自動カメラ検査では、製品のすべての面を映し出すために多数のカメラを配置するか、製品を精密に回転させる高価な専用治具が不可欠であった。

これに対し「MENOU-AiF」は、協働ロボットアームが製品を掴んで方向や角度を自動で変えながら、AIが適切な撮影部位を捉えて高精度に撮像を行う。

人間が自然に行う確認動作そのものをシステム的に再現するため、複雑な治具の設計が不要になり、導入コストの削減やライン立ち上げの迅速化に直接寄与する。

さらに、同システムにはソニーのフルサイズカメラが採用されており、描写性能が極めて高い。広いダイナミックレンジを持つため、金属部品などの光を反射しやすい製品や、照明条件の変化、明暗差が大きい過酷な製造環境においても、AI判定に適した鮮明な高品質画像を安定して取得できるため、誤判定によるライン停止のリスクを抑え込むことが可能なのだという。

MENOU、AIとオートフォーカスで複雑形状製品の外観検査を自動化する撮像システム「MENOU-AiF」を開発
撮像した画像をAIが自動で判定している様子

技術的な優位性としては、高度な「撮像」と「判定」のプロセスがシームレスに直結している点だ。

まず撮像フェーズにおいては、ソニーマーケティング株式会社との連携によるソニー製カメラおよびSDK(ソフトウェア開発キット)を効果的に活用した独自のオートフォーカス制御プログラムが機能する。AIがフォーカス位置を自律判断することで、複雑な形状であっても常に最適なピントで対象物を捉えることが可能だ。

こうして取得された高品質な画像データは、同社が提供するノーコード外観検査AI「検査AI MENOU」へと自動で送信され、直ちに高精度な良否判定が実行される。

なお、この「検査AI MENOU」は、マウス操作のみで検査用AIモデルを構築できるプログラミング不要のノーコード設計となっており、すでに自動車部品や医療機器、食品、日用品にいたる業界の200社以上の現場で導入されているとのことだ。