NEC、多様なサプライチェーン業務を自律実行する「NEC SCM AIエージェント」を発売

サプライチェーンマネジメントの領域は、調達、生産、物流、販売など広範なバリューチェーンに分かれており、それぞれの部門で異なるITシステムが個別に構築されているケースが多い。

さらに、取引先との関係性や現場独自のルールに起因して業務プロセス自体が企業ごとに多様化しているため、市場に存在する既存のパッケージ製品を単純に適用するだけではカバーしきれない隙間業務が発生していた。

結果として、異なるシステム間でのデータの突合や、需要の変動に伴う生産スケジュール変更などの調整作業、さらには配送遅延といった例外的なトラブルへの対応を現場の「人手」に依存せざるを得ず、これがリードタイムの長期化や在庫の適正化を妨げる大きな原因となっていた。

また、昨今の生成AI(LLM)の台頭によりテキストデータの要約や対話といった業務効率化は進みつつあるものの、サプライチェーンにおける本質的な課題である「複雑な数値データの分析に基づく調達予測」や「最適な物流ルートの導出」といった高度な予測・最適化の領域には、LLM単体では技術的に適応しきれないという限界も存在していた。

こうした中、日本電気株式会社(以下、NEC)は、複数のSCMシステムを横断し、需要予測や調達交渉、生産計画の最適化などを自律的に実行する新サービス「NEC SCM AIエージェント」を、2026年9月より販売開始することを発表した。

新開発された「NEC SCM AIエージェント」は、安全で安心なAIの活用と運用を強力に支援する統合基盤「AI Platform Service」を通じて提供される。大規模言語モデル(LLM)単体では対応が難しかった高精度な数値予測や計画最適化を、機械学習や独自のAI技術と連携させることで可能にした。

また、AIエージェントがSCMに関連する複数のシステムやデータを横断的に活用することで複数の業務を実行し、一つの統合された操作環境上で、収集されたデータの確認から最適な意思決定及び提示までを完結させることができる。

これにより、需要予測や生産・在庫・物流計画の最適化など、SCM領域における多様な業務を自律的に実行する。

また、固有の業務やデータにあわせたエージェントの追加・拡張にも対応し、継続的に適用領域を拡大するとしている。

同サービスの販売価格は、利用するデータ量や機能範囲に応じて変動する年額税別1,800万円からに設定され、別途初期費用が必要となるとのことだ。

なお、2026年9月8日から11日まで東京ビッグサイトで開催される「第17回国際物流総合展2026」に同エージェントが展示される予定だ。