新薬開発は、研究から治験での臨床データの収集・解析、有効性と安全性評価などのプロセスを経て、平均で9~17年を要する。
この長期にわたる開発プロセスでは、製薬企業と医療機関の双方が多大な時間と労力を投じており、特に、臨床データの収集にあたっては、業務効率化と品質確保の両面が課題となっている。
近年では、医療機関の電子カルテから製薬企業のEDCに臨床データを電子的に連携させる取り組みが注目を集めているが、電子カルテとEDCの互換性や製品間の差異等の問題により業界全体での普及は進んでいない。
特に、患者の安全性評価で重要となる有害事象や併用薬情報については、データ連携の取り組みがほとんど進んでいないのが実情だ。
この状況を受け、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院、中外製薬株式会社と株式会社NTTデータは共同で、電子カルテに記録された臨床データのEDCへの連携に関する共同研究を行った。
この研究では、NTTデータが開発した治験総合プラットフォーム「PhambieLINQ」を活用し、疾患領域を限定せず、有害事象・併用薬を含めて、治験で必要となる主要な臨床データの連携が可能となった。

三者は今後、この共同研究の結果を活用し、今回の検証結果を踏まえ、実試験での有害事象・併用薬を含むデータ連携を目指すとしている。
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