訪日外国人観光客数は2018年に3,000万人を突破し増加が進む中、リピーター化やゴールデンルートから地方への移行など旅行動態も変化が進んでおり、観光地や受け入れ施設のさらなる魅力や新たな価値の創造が課題となっている。
このような課題に対し、凸版印刷株式会社はこれまで、観光コンテンツ配信基盤「旅道(たびどう)プラットフォーム」の中核である、旅ナカツールアプリ「旅道-TABIDO-」(以下、旅道)を用いて地域の周遊を支援しており、翻訳関連ソリューションによる受入環境整備や、観光施策最適化に向けたインバウンドコンサルティングまで、地方創生に向けた観光地域づくりやインバウンドビジネスに貢献してきた。
そして今回、凸版印刷はクラブツーリズム株式会社の協力のもと、旅道を用いて訪日外国人のSNS投稿写真とデジタルクーポンの利用状況を分析し動向や嗜好を把握する実証実験を、2019年10月から12月まで実施する。
同実証実験では、クラブツーリズムの訪日外国人向け募集型企画旅行「YOKOSO Japan Tour」への参加者を対象に、同ツアーの「1,000円引きクーポン」が当たる「ハッシュタグキャンペーン(Instagram/Twitter)」を開催し、参加者に立ち寄った場所や食事、購入したお土産などの写真投稿を促す。
また、デジタルクーポンを入手できる専用マーカー「AReader(※)」が印字されたリーフレット(英語/繁体字)をツアー参加者に配布する。旅道をダウンロードしたスマートフォンでマーカーを読み取ることで、ツアーの周遊先である京都府、大阪府などの観光スポット計8ヶ所のクーポンを利用できる。
これにより、従来の参加者の動向はツアー後のアンケートによる情報収集が中心だったが、SNSへの投稿写真内容の分析と、電子スタンプサービス「マルチスタンプ」を用いたデジタルクーポンの利用状況分析により、訪日外国人の新たなニーズや動向の把握を行う。また、訪日外国人の多様化するニーズに合わせた観光スポットへの誘致やツアー商品の開発などを支援する。
※ 凸版印刷が提供しているスマートフォン向け汎用ARアプリケーション。AReaderで専用マーカーを読み取ると、カメラに映っている実際の映像に3DCGや動画などを重ねたARコンテンツを体験することができる。
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