東京都の訪日外国人観光客は、平成30年度には1,424万人となり、前年比で3.4%増と増加傾向にある。多様な国や地域から訪問する外国人観光客とタクシー乗務員との多言語での円滑なコミュニケーションに対するニーズが高まっている。
そのような中、KDDI株式会社とみんなのタクシー株式会社は、都内タクシー会社5社(株式会社グリーンキャブ、国際自動車株式会社、寿交通株式会社、大和自動車交通株式会社、チェッカーキャブ無線協同組合)と連携して、5社のタクシー車両において、多言語音声翻訳システムを活用して訪日外国人観光客がタクシー内でコミュニケーションを実現するための実証実験を実施することを発表した。
多言語音声翻訳システムは、タクシーの後部座席に設置されたタブレット内臓のマイクと、運転席に設置されたマイクを通して、会話を行う。それぞれの会話は、クラウド上にある多言語翻訳プラットフォームにより、目的の言語に翻訳され、英語や中国語 (简体中文、繁体中文)、韓国語の翻訳に対応している。
KDDIはこれまで、鳥取県、東京都、沖縄県における観光タクシー内での同システムの実証実験を行っており、円滑なコミュニケーションの実現とタクシー乗務員の操作負担の軽減に関して、検証と改善を繰り返してきた。
今後、各社は同実証実験を踏まえて、訪日外国人観光客の満足度や安心感の向上に加え、タクシー乗務員によるコミュニケーションの実現に向けて同システムの商用化の検討を進めていく。
また、都内タクシー会社5社が既に導入しているIoTサイネージサービスや、タクシー配車アプリ「S.RIDE(※)」と連携したS.RIDE Walletの機能を有する後部座席タブレットに同システムを搭載し、一つのタブレットで多様な機能を一括で提供し、乗客の利便性の向上を目指す。
※ ワンスライドすることで、東京のタクシーネットワークから一番近いタクシーを呼び出すことができ、乗車事前や車内でのネット決済やQRコード決済により、スムーズな降車を実現するタクシー配車サービス。
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