AIoT のパワーを解き放て―― AIとIoTを統合したAIoTを今すぐ導入すべき理由とは?

【前編】コマツ四家氏・ウフル八子氏が語る、建設現場のオープンプラットフォーム「LANDLOG」はいかにして生まれたのか

コマツとウフルが創った、新しいエコシステムの芽

小泉: コマツさんとウフルさんは、事業の内容はもちろん、企業風土やお付き合いしている企業も全然違いますね。

四家: ウフルさんは第一線で活躍された方が集まっている会社です。そういう意味では、ウフルさんにお願いすれば、パートナリングからコンサルティングまでワンストップで対応していただけるということは、本当にありがたいと思っています。

小泉: 特にLANDLOGのパートナリングなどにおいては、「ウフルさんだからできる」という部分があったと思います。

四家: そうですね。パートナリングの方法はほとんどウフルさんのノウハウにお任せしました。そもそも、コマツは自前主義が強かった会社ですから、当然パートナリングのノウハウはありませんし、わからないことだらけでした。

コマツ四家氏・ウフル八子氏が語る、建設現場のオープンプラットフォーム「LANDLOG」はいかにして生まれたのか
小泉耕二:1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役/IoTNEWS代表。IoT/AIコンサルタント。大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)、Cap gemini Ernst & Young、テックファーム株式会社より2005年より現職。著書に、『2時間でわかる図解IoTビジネス入門』(あさ出版)、『顧客ともっとつながる』(日経BP)がある。

小泉: コマツさんには「コマツみどり会」もありますが、そのような組織とLANDLOGにおけるオープンなコミュニティというのは、実際にどう違うものですか?

四家: 「みどり会」はコマツのモノ作りを支える製造現場のパートナーが参加する組織体です。

「みどり会」はどちらかというと、コマツのブランドで出せる技術を世界中から探していこうという考え方ですが、私が八子さんにお願いしていたのは、コマツのブランドではなくて、「LANDLOG」のプラットフォーム上で、参画する企業それぞれのブランドで事業を進めていただくということですので、これは「エコシステム」に近いものだと思います。

小泉: 八子さんに伺いたいのですが、多くの企業が「みどり会」のような協力企業の既存コミュニティを持っていると思います。それと「エコシステム」をつくるということは、まるで性質が違いますし、実際につくるのはかなり難しいことだと思うのですが、いかがですか?

八子: 難しいですよ。それをコマツさんが実現できているのは、意思決定のスピードが速いからです。圧倒的に違います。

もう一つは、コマツの取り組みを、もっとたくさんの人に知ってもらいたい、あるいはこれまで建設現場に関与していなかった業界や企業にも貢献してもらうことで建設現場をよりよくしていきたい、という強い思いを持っておられることです。

とにかく、コマツさんの課題認識が「現場をよくする、現場の安全と生産性を上げる」ということなんですね。

コマツ四家氏・ウフル八子氏が語る、建設現場のオープンプラットフォーム「LANDLOG」はいかにして生まれたのか

我々は当時、ウフルとしてのパートナーエコシステム(IoTパートナーコミュニティ)を既に運営していましたから、そこで実践している考え方を踏襲しながら、コマツさんだけではリーチの難しい、建設現場に関係のない企業さんに参画していただくことが我々の価値だと考えました。

四家さんからは都度、「どうしてこの会社なの?」というご質問もありましたが、それに対して理由をご説明すると「なるほどね、それなら話をしてみよう」とご納得いただき、進めていきました。四家さんの場合には、ご納得されたら、「じゃあすぐに声かけて」とおっしゃいます。「いいんですか?」とびっくりすることも度々でした。

小泉: パートナー企業をリクルーティングされる時に苦労された点はありますか?

八子: 「オープンプラットフォーム」というものに対し、自分たちに何ができるのか、どうして建設現場のビジネスの話なのに、自分たちに声がかかっているのかということを、理解いただけないことですね。

ご説明しても、「どうやって協力していいのかわからない」という会社さんが多いんです。そのような場合には、2、3回通って、「こういう趣旨なんです。こういうデータが出せて、こういうアプリケーションができるんじゃないですか」という説明を重ねていきました。

その結果、「何か行けそうな気がします」という会社さんと、「もうちょっと待ってください」という会社さんと、二通りいらっしゃいます。

小泉: 相手の企業さんは、いわゆる「業務提携」としてとらえられているんですか。それとも、あくまでシステム間連携として見ているのでしょうか?

八子: それについては、「システム間連携だけ、データだけ出して終わりということではないですよ」とお伝えしています。始めから、「これはITの話をしているのではなく、建設現場をよくする、そのためのパートナーシップの一員として何ができるかを一緒に考えてください」とお願いをしています。

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