航空貨物用パレットは国内陸路輸送用よりもサイズが大きく、産業用6軸ロボットではアームの可動域が小さいため、デパレタイズ作業の自動化が困難であった。
こうした中、川崎重工株式会社、川重岐阜エンジニアリング株式会社、リモートロボティクス株式会社の3社は、川崎重工の保有する8軸ロボットシステム(以下、8軸ロボット)と独自の制御ロジックおよび遠隔操作技術を活用し、航空貨物用パレットから貨物を荷下ろす作業(以下、デパレタイズ作業)の自動化システム(以下、自動デパレタイズシステム)を開発した。
今回の実証試験では、新たに開発した長いアームを有する8軸ロボット技術を用いて、デパレタイズ作業の自動化の実現可能性を確認した。
具体的には、成田空港内の日航貨物ビル上屋に自動デパレタイズシステムを設置し、8軸ロボットに装備した3DビジョンAIカメラでパレット上に積まれた荷物位置を把握し、自動で荷物を下ろす一連のデパレタイズ作業を実施した。
また、荷物位置を自動判定しきれない場合を想定し、リモートロボティクスが提供するロボットの遠隔操作サービス「Remolink」を活用し、人がリモート環境から画像の撮影指示や、ロボットが把持すべき荷物位置の指定が可能かを検証した。
その結果、8軸ロボットや独自の制御ロジックおよび遠隔操作を活用することにより、航空貨物のデパレタイズ作業の自動化が可能であることが確認された。
今後は、今回の成果をもとに、引き続き航空物流の発展を目指し、現場ニーズに合わせたシステムの開発を進めていく予定だ。
なお、2025年2月には、日本航空株式会社株式会社JALカーゴサービスの協力を得て、成田空港内にて航空貨物用パレットからの自動荷下ろしの実証試験に成功しているとのことだ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。