EmpathとTMJ、バーチャル・アシスタント搭載の感情解析コールセンターAIを開発

コールセンター白書によると、離職につながる職場での最も不快な体験として「同僚との人間関係」が挙げられている。実際、オペレータの監督者(以下、SV)は平均で一人あたり10人弱のオペレータを支援しているため(※1)、業務過多に陥り、オペレータとのコミュニケーション不足が発生している。

音声感情解析AI「Empath」を開発する株式会社EmpathとコールセンターBPOの提供を行う株式会社TMJは約4年にわたり、コールセンターにおける音声感情解析AIの有効性検証を実施してきた。その結果、感情解析コールセンターAIによるSVならびにオペレータへのサポートが、SVの負担を軽減することでチーム内のコミュニケーションを円滑にし、生産性向上に寄与することが明らかになった。

この成果を踏まえて2018年12月27日に両社は事業提携契約を締結し、このほど、バーチャル・アシスタント搭載の感情解析コールセンターAIを共同開発した。

コールセンターでは、SVの主たる業務に「オペレータのフォローや指導、教育」が挙げられるが、効率的なフォローが困難であるという課題があった。

そこで、同製品は業務通話中の顧客とオペレータの感情を解析することで問題が起こりそうな通話を検知し、リアルタイムでSVにアラートを送信する。SVはタブレットやPCモニター上に通知されたアラートをもとにサポートが必要なオペレータを即座にフォローが可能だ。この結果、従来よりもオペレータに対するフォーロー・タイミングが早くなり、オペレータに対するサポートがより効率的になった。

また、これまでは業務時間内にオペレータの抱える問題や悩みを把握することが困難であり、オペレータからの業務時間外の相談がSVの残業時間を増やす事態となっていた。

そこで同製品は、オペレータの通話実績と感情値をカルテ化することで、SVが業務時間内にオペレータの状態を確認することを実現し、オペレータの抱える悩みや問題の解決速度がはやまり、業務時間外のオペレータからの相談が減少した。こうしたSVをサポートする機能により、同製品はSVの残業時間を約20%減少することに成功した(※2)。

さらに、一般的にオペレータのモチベーションが維持できない要素として、SVに対する不満があげられる(※3)。その原因として業務過多によりSVがオペレータと十分に適切なコミュニーケーションがとれていないことが予想された。

そこで同製品はオペレータが操作するPC画面上にバーチャル・アシスタントを実装、感情解析の結果に応じて対話が上手く行った場合にはSVの代わりに褒めたり、顧客の怒りが強くなった際には慰めたりすることでオペレータをサポートし、モチベーション維持に貢献した。

EmpathとTMJ、バーチャル・アシスタント搭載の感情解析コールセンターAIを開発

その一方で、通話中にサポートが必要となった場合にオペレータがSVにヘルプを呼べる機能も搭載した。必要なタイミングでSVからの適切なサポートを受けているとオペレータが実感できるようになり、オペレータの出勤率が99.2%に安定し、成約率が1.9倍向上するなどの結果に寄与した。

同製品は、今秋から外部販売が行われる予定だ。

※1 一般社団法人日本コールセンター協会(CCAJ)情報調査委員会「『2018年度 コールセンター 企業実態調査』報告」
※2 2019年3月8日から2019年6月28日に行われた、TMJ福岡第3センターにてEmpathとTMJが共同で実施したアウト・バウンドコールでの実証実験により確認。
※3 Randstad 「第1回 離職率の低減」

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