IoTでも取り入れはじめている、サブスクリプション・モデル

サブスクリプションとは、「月額定額制」と訳されることが多いが、実際は、単に「とあるサービスが月額で受けられる」ということではない。

例えば最近のサブスクリプションモデルとしては、音楽配信や動画コンテンツなどが代表的な例だ。

しかしこれを単に「月額制」と訳してしまうと、CDやビデオを借り放題できるという月額制モデルでも、好きな音楽や映画を月額制で利用するという点では同じだが、商品の購買を単純に月額制にしたものと、インターネットを通じて配信される月額制ではサービスの内容が異なってくる。

例えば、Spoifyで音楽をユーザーが聴く場合、どんな音楽を聴いているのかというデータが溜まっていき、使えば使うほど自分好みにアップデートされていく。

顧客のメリットとしては、オススメの曲をピックアップしてくれたり、プレイリストを作成してくれる点だ。最近では好きなアーティストをお気に入り登録しておけば、そのアーティストのライブ情報を教えてくれる、といったような自分に合った新たなサービスを受けることもできる。

提供者側からすると、顧客との接点が途切れることがなく、一人一人のユーザーに対して様々なアプローチを行うことができるのだ。

このように、サブスクリプションモデルでは、モノ売りよりは安い金額になるかわりに、顧客との関係性をアップデートすることで、継続的に売り上げをあげていくことが重要になるのだ。

そしてハードウェア、ソフトウェア、両方を必要とするIoTの分野でも、サブスクリプション形態を導入するソリューションが数多く出てきている。

そこで今回はサブスクリプションを導入しているIoTソリューションを紹介したい。

ロボットで家事代行をスマートに

これは、家事代行を行うロボット「ugo」だ。

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操作は人がVRコントローラーを使用しながら遠隔でロボットを操作するため、ロボット単体では難しい細やかな作業や、必要な分だけ家事代行を頼むことができる。

またロボットに家事代行を頼む利点はプライバシーの観点だ。ugoでは利用者がアプリから許可をしなければオペレーターはロボットを操作することはできない。

また、事前に間取りデータを提供し、ロボットが入れる場所を限定することもできる。ロボットだからこそできるプライバシー保護機能だ。

利用料については、家事代行サービスとして月額2万5千円のサブスクリプションモデルを予定しているとのことで、通常の家事サービスを依頼するよりも半額以上価格を抑えることができる。

一度作業内容やプライバシー登録をしておけば、2回目以降の利用時も手間なく作業をに移ることができる。

そして新たな機能の追加があった際には、提供者のMira Roboticsはサービスをおすすめする機会が生まれ、利用者もいつも利用しているロボットになら安心して新たな家事を代行してもらうことができるだろう。

話せば話すほど蓄積されるデータ

TISはスマートスピーカー「Tumbler」をビジネスに活用する「音声・対話AIサービス」を提供している。

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これはスマートスピーカーをビジネスシーンに取り入れ、会議を自動記録したり、翻訳機として利用するというものだ。

会議で自動記録した後は、テキストと音声は会議の参加者のみが知り得るQRコードを読み取り、ブラウザを共有することでセキュアに情報共有することができる。

また、チャットボットサービス「DialogPlay」と組み合わせることにより、FAQの組み込みも可能だ。蓄積したデータを活用し、ニーズ調査やインバウンド施策対応等へつなげることができる。

スマートスピーカーとソフトウェア、合わせてサブスクリプションモデルで提供しており、少ない負担で導入可能なサービスだ。

9月からはチャットボットやスマートスピーカーの開発で培った自動対話や音声応答の技術を活用して、コールセンターなどの一次対応を音声対話AIに代行させる「電話自動応答サービス」を提供しており、これもサブスクリプションモデルで展開している。

このようにハード部分が変わる新製品を展開していく上でも、すでに同様のソフトウェアの製品を導入をしている利用者であれば、使用感やサービスのメリットも理解しており、スムーズに利用者に訴求していくことができると想定される。

シンプルなハードに賢いソフト

そして最後は在庫管理を行うことができる「スマートマット」という商品だ。

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これは重量センサーがついたマットの上に商品の在庫を置き、残量が設定していた値より少なくなったら通知をしたり、自動発注をすることができるサービスだ。

ブラウザで動くソフトウェアがセットになっており、重さをベースに残量がどのくらいか、在庫の推移、入出庫や消費といった在庫管理の基本的なデータが見られる。

重量で在庫管理をしているため、RFIDなどを貼りづらい生鮮・総菜や液体などにも対応できる。

月額498円と低コストで導入することができ、人件費の削減にもつながる。

このスマートマットも発売した後にインフォマートと提携し、「BtoBプラットフォーム 受発注」を採用。日々行われる発注・受注から請求までをデータ化し総合管理することができるようになった。

このようにIoTのサブスクリプションでは、ハードウェアとソフトウェア両方を月々の支払いで賄うことができ、顧客に対して適切なサービスのアップデートを行うことができる。

一方ソフトウェアのアップデートを行うことは容易だが、一度導入したハードウェアのアップデートが困難であるという課題が顕在化しだしている。

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