IoTで変わる自動車産業

クルマはこれまで自動車メーカーだけのものだった。

そこに、CO2削減、環境配慮エネルギー、というお題目のもと、電気自動車という概念が持ち込まれた。

当時、誰もが自動車会社が新しいエネルギーを使った、全く新しいクルマを作るのだと思っていたし、まさかインターネット関係企業がクルマのマーケットに参入するとは思っていなかった。

所詮は、Google Mapのような便利なカーナビソフトを作るくらいで、クルマ自体を作る日がくるとは予想すらしなかった。

クルマの電気系統は、デンソーに代表されるような大手自動車メーカー傘下の企業が作ってきた。

テレマティクスという分野なのだが、今やクルマの状態はセンサーですべて把握されていて、コックピットには随時状況が報告される。

安全システムもセンサー技術の発展から実現できてきた。

車内環境も電気の力でコントロールされ、快適に過ごせるようになってきている。

こういった様々な電気系統の発展がクルマ自体をより快適に、安全にしてきた。

しかし、IoT社会になると、これらのセンサーが取得する情報を単に表示するのではなく、ソフトウエアが自動的により人にとって快適な状態を作る出すようになる。

下の図は、IoTの技術レイヤーに関して書いた図だが、これでいう「情報技術」「アプリケーション技術」のレイヤーがこれにあたる。

about IoTクルマは、自動運転され、危険は自動的に回避され、クルマ同士が通信しあって渋滞も回避される。

車内はとても快適に維持され、単なる移動手段から居心地の良い部屋にすらなる可能性がある。

 

 

電気自動車になることでプレーヤーが変わるワケ

電気自動車になると、エネルギーはガソリンから電気へ、動力はエンジンからモーターへ変わる。

そして、モーターはこれまでのエンジンとは比べ物にならないくらい省スペースで作ることが可能となる。

これにより、自動車メーカーはゼロベースでの開発を余儀なくされる。

もちろん、これまでの経験が生きる部分も多いだろう。

しかし、全世界的に展開している自動車メーカーは、部品の製造は外部委託しているし、工場ノウハウも様々な場所に伝わっている。

つまり、全く新しい資本が入ってきた際、これまでの知見を生かした製造ができる状態になっているといえる。

そこに、これまでのクルマとは違う移動手段として捉えたクルマをイメージすると、全く別のプレーヤーが新しいクルマを作る余地が多いのもうなずけるだろう。

 

例えば、クルマといえば、座席は前向きが当たり前だが、自動操縦が当たり前になると後ろ向きでもいいし、ベットに寝ながらでもいいはずだ。

アプリケーションも、移動することにフォーカスした情報ばかり表現する今のクルマではなく、インターネットを介してエンターテイメントプログラムが提供される。

電池技術も、全く新しい技術が生まれる余地がまだまだある分野なので、プレーヤーが一新される可能性も高い。

 

 

シリコンバレーに集まる自動車企業

今、自動車企業がシリコンバレーに集結してきている。

全く新しいプレーヤーが市場を形成するまえに、自社に取り込みたいという思惑なのだろう。

「餅は餅やに」ということなのだろうが、実際は先述したとおり、ゼロベースの開発が可能となっている状態なので、そうはいかない可能性の方が高い。

寡占市場であった、クルマのマーケット。

IoT技術の普及で、全く新しい考え方で、バリエーションに富んだ乗り物に乗れる日はそう遠くない。

 

参考:クルマ関連企業におけるIoTの取り組み

IoT時代のクルマ社会

Previous

第1回 IoT/M2M展(2015年10月開催)幕張メッセ

国内で初めて全IoT端末から送信されるデータを自動受信・検知・制御 IoT OS「SINGULARITY」

Next