IoTプラットフォームを活用して、どう現場を変えていくか ーSORACOM Discovery2017⑤

SORACOM Discovery2017の第五回目のレポートでは、SORACOMでどう「現場」を変えていくのか。いくつかの企業での取り組みを紹介する。

売上増を狙う~株式会社メガネトップの取り組み

メガネトップは、1980年に設立し、日本全国にチェーン展開をしている、メガネ、コンタクトレンズ、補聴器に関するサービス企業で、「眼鏡市場」などの店舗を展開している。

メガネトップの濱崎氏によると、メガネはフレームとレンズを足したのが価格であり、そのうちレンズの価格が最終的に出てくるのが購買の後半になって決まるという不親切さが業界にあったという。「眼鏡市場」ではフレームについている値段でどんなレンズを選んでも値段が変わらないのだという。

このような新しい取り組みを出してきたが、現在、店舗を評価するときにIoTの技術を活用しているそうだ。

店舗の評価には、大きく2つの重要な要素があり、それが、「来店数」と「買上げ数」である。「来店数」を分母、「買上げ数」を分子とした「買上げ率」という指標でそれぞれの店舗を評価しているという。

当初、来店数は思いのほか測定し辛く、現場店舗のスタッフでは時間もかかり、大変、非効率であった。

そこで、画像認識をする入店カウンターと呼ばれる機会を導入したが、デメリットが、2つあったという。

1つは、お客さんの顔をしっかりと認識できる場所におく必要があるので、店舗で設置する箇所が限られてしまったことだ。2つ目は、1人のお客さんでも何回も出入りすると、その都度来店数が膨れ上がり、正しい来店数のカウントができなかったことだという。

そこで、メガネトップでは、ウォークインサイト社の提供するIoTプラットフォーム「WALK INSIGHT」を導入した。SORACOMの組み合わせにより、WALK INSIGHTを用いると、有線やWi-Fiなどの通信設備の準備なしで、置きたい場所にセンサーを設置し、簡易に店舗や施設の顧客傾向分析を始めることが出来る。

「WALK INSIGHT」のWebダッシュボードで、店舗の状況を一目で把握することが出来るという。

メガネトップでは、IoTを用いることで全社的に、正確な数字のデータを使い、責任の所在が本部なのか、現場なのかを明確に語ることができるようになったという。

コスト意識の改革~株式会社トーア紡コーポレーションの取り組み

株式会社トーア紡コーポレーションは、繊維製品製造や半導体の生産を行っている会社だ。

同社の中井氏によると、四日市の産業資材工場で、電力デマンド監視システムにIoTの技術を導入したという。

工場では電力ピーク使用時の利用量で電気料金が決まるため、一定量を超えないように適切な機器運用が求められるのだという。このため、設定値を超えたときになる警報が聞こえる範囲に監視員を配置しなくてはならず、負担となっていたという。

四日市工場では、10%のコスト削減を目標としていたが、設備の変更や運用改善といった方法も限界ぎりぎりに近いような状況だった。

そこで、頼みの綱としてIoTの技術を取り入れようと、当初全く未知であったIoTを基本的なことから一から調べてみたという。だが、当初は様々な課題からIoTを自社工場に導入するのは、やはり難しいと感じていた。

しかし、あるイベントで業者に相談したところ、PLCがあればでき、導入のハードルは低いと言われたという。そこで、手始めにIoT.kyoto VISを利用し、工場全体の電力デマンドを可視化した。なんと決定から、わずか2週間で実装が完了したという。

これまで監視盤の近くでなければ確認出来なかった電力デマンド値が、スマートフォンがあれば、どこでも確認が出来るようになり、他の仕事に集中出来るようになった。

また、中井氏本人も想定していなかったということだが、現場の方のマインドも変わり、仕事で積極的なアクションを誘発することが出来たという。中井氏は「IoTは、人の仕事を奪ってしまうネガティブな印象で語られがちだが、本来、人がすべき仕事が出来るようになることで、職場の雰囲気まで良くなった。このようにIoTの技術は組織の文化までをも変える可能性もある」と述べた。

物売りからサービスへ~株式会社ニューマインドの取り組み

株式会社ニューマインドは特殊プリンター事業に特化した会社として2012年に誕生した。同社の佐藤氏によると、印刷素材を問わない広範囲な素材に対して豊富な印刷技術のノウハウを有している会社だという。

佐藤氏によると、従来、顧客に可食プリンタを販売後、どのように利用されているかを知る手段は無く、故障が発生した場合の原因を判別する手段がなかったという。また、インク残量や使用状況等も、顧客工場等に行かないと分からず、人件費等コストがかかっていたという。

こうした課題を解消するため、インフォコーパスが提供するIoTプラットフォーム「SensorCorpus」を利用した。可食プリンタに搭載されているセンサからデータ(温度・湿度等環境データ、プリンタヘッド動作状況等)を取得・蓄積し、クラウド上に保存するIoTの仕組みを開発し、ニューマインドでは、稼働状況等をモニタリングするという。

自社製品のIoT化により、顧客が可食プリンタを使用する状況をデータとして把握ができ、顧客先での製品の故障原因の検証、インク等の補給品を適切なタイミングで行える等、顧客サポートの充実や、営業コストの削減等の効果を期待しているという。

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