IoTで変わる原価管理、mcframeで進む現場データの経営での活用 ―B-EN-Gインタビュー

IoTで溜まったデータの経営への活かし方

小泉: mcframe SIGNAL CHAINは、顧客の環境で取得したIoTデータは、現状溜め続けているのでしょうか。

入交:いまのところ溜め続けていますが、どこかで取捨選択するのを考えなければいけないな、と思います。

小泉:製造業の方と話をすると、取得したデータをどうビジネスに活かせば良いか分からないから、データの使い方を知りたい、という要望をよくお聞きします。

「エッジ側で取ったデータをエッジ側だけで処理して価値をだそうとし過ぎているので、データをクラウドには上げられないのですか」と話をすると、「上げたいけれどIT部門と業務部門が上手く連携できず結局、経営データと現場のデータがつながらない」とも言います。

または可視化もビジネスプロセスの中にきちんとデータが溶け込んでくれば価値が出そうな感じはするけど、「確固たる根拠がないので出来ない」と答える方もいます。こういった状況を変えられるきっかけは、ないのでしょうか。

羽田:きちんとした生産管理・原価管理システムが導入されていないと、データを吸い上げようにも「行き先」がなくて活用は限定的になると思います。

小泉:現場のデータと連携しているERPがそもそも無い、という話ですね。そのレイヤーまできているソリューションをそもそも御社はお持ちなので、そこを上手いことやっていけばビジネスのプロセスそのものもデジタルの恩恵を受けることが出来ると思います。

山下:世の中にPLMもERPもIoTも実は業界自体が分かれていて、全部を統合するコンセプトの製品がない。だから、私たちがそれをmcframeで実現したいと思っています。(※)

羽田:B-EN-Gは元々、FAからビジネスをスタートさせたので、IoTに比較的容易に取り組むことができましたが、ERPだけやっている会社であれば取り組みは遅れていたと思います。設計やPLM領域に関しては経験や知見が自社だけでは不足していたので、図研さんの力も借りて新しい製品を共同開発しました。

IoTの4つの要素をまとめるエンジニアリング能力

小泉:mcframeのIoT製品群の話題がでましたが、これらの製品に関してはどういう動きがありますか。

入交:mcframeのIoT関連製品に関する、具体的な製品の最新情報について説明する前に、当社のIoTソリューションに対する根本的な考え方についてお話しします。

IoTには4つの要素、つまり「デバイス」「業務(データ)」「IoTプラットフォーム」「アプリケーション」があります。しかし各分野で思惑がバラバラのまま取り組んでしまうと、それぞれ出来ることが限定的なまま話が終わってしまいます。

ここを「エンジニアリングという視点」でつなげていく、というところに我々B-EN-Gの価値があるのではないかと思っています。

小泉:なるほど。確かにバラバラだと限定的になってしまって、効果があまりないという企業も見かけます。最近のIoT関連部分でもアップデート状況はどうですか。

入交:今回、アップデートしたソリューションはmcframe SIGNAL CHAIN、mcframe RAKU-PAD、mcframe MOTIONの3つです。

IoTで変わる原価管理、mcframeで進む現場データの経営での活用 ―B-EN-Gインタビュー

まずは人の動きを収集する技術についてです。これは大きな領域・小さな領域で特性の違いを見極めながら、ビーコンやウェブカメラなどを利用して動作のデジタル化をするというものです。

ノウハウを持つ熟練者が現場からいなくなっていく中で、習熟していない人でもデジタルトーキングによって、ある程度工場運営が出来るようになります。例えば海外で新工場を立ち上げる時に、現地のワーカーを教育するのをお手伝いする、というようなことを狙っています。

小泉:視覚的にすごく分かり易くして、簡単に指導出来るようにするわけですね。

入交:次に設備の稼働モニタリングです。これは人のチャート・設備のチャートを並べていくことで、例えば設備が止まっていた時に人って何をやっていたのか、などのシナリオを確認することができます。あるいは多台持ちしている作業の最適な組み合わせは何か、というスケジューリングを行うことなども想定しています。

小泉:作業者はデジタル化によって振り回される恐れはないのですか。

入交:先ほど紹介した技術は、現場の作業者というより上流の計画系の方に向けて提供しています。今までは勘と経験で行っていたところを、明確にして指導出来るよう、教える側をサポートすることで日本の現場を変わるのではないか、と思っています。

あとは設備保全。これについては状態基準がトレンドで、音や振動など、予知保全の前段階で様々な状態を見るしくみがあるというものです。

小泉:それは設備の温度が上がってくる、あるいは異常な音が鳴っているなどを検知して知らせる、ということでしょうか。

IoTで変わる原価管理、mcframeで進む現場データの経営での活用 ―B-EN-Gインタビュー
B-EN-G・新商品開発本部副本部長・マーケティング企画本部長の入交俊行氏

入交:それだけではなくてチョコ停の頻発防止なども含めますね。AIを使わなくても、人がちょっと頑張るだけで、状態保全が出来るような環境を作りたい、というのが我々の思いです。

最近、PoC(Proof of Concept)の壁を越えられない顧客に対して、どうしてよいかわからず悩んでしまうことを支援するサービスをセットで提供しています。

小泉:それはSIGNAL CHAINを何社かに入れていく中でPoCの状態に留まっている人たちがどう打開したか、というところのノウハウが集まった、ということでしょうか。

入交:そうです。メンテナンスのところでいうと、AR使いましょうとか、予備品管理とかはERP領域だと思いますがデータがあまりにもバラバラになっていて、それをちゃんと統合してあげるだけで効果がある。

意外に出来ているようで出来ていないのが、修理と点検の記録の統合。紙文化であるし、点検は点検、修理は修理で、とつながらない。また、保全の方は特殊な動きをしているので意思の疎通が出来ていないこともあるのですが、そういうのを無くしていくだけでも効果があるな、と思います。

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