株式会社三五は、従来完成品を一度敷地外の倉庫で保管し、出荷時に再度工場内へ運搬したのちに出荷する手法を取っていた。
しかし、トラックドライバー不足と物流費の高騰を背景に、より効率的な物流システムを検討していた。
こうした中、三五は、同社の福田工場に新設された製品倉庫にて、株式会社Mujinのデジタルツイン技術と知能ロボットによる自動化トータルソリューションで、搬送・保管・集荷・ピッキングの完全自動化を実現したと発表した。
今回の取り組みでは、Mujinのオートメーションに特化した部隊が、物量分析、倉庫内レイアウト検討、WCSの要件定義を包括し、WCSによる各自動化設備の統合管理が実施された。
リアルタイムデジタルツイン技術により、知能ロボット、AGV、安全機器、その他搬送システムをリアルタイムに統合管理することで、最適な機器連携と、稼働状況や在庫の見える化を実現した。
また、万が一のトラブル発生時でも、どこで何が起きているのかといった詳細もリアルタイムで可視化されているため、リモートサポートによる初期対応・早期原因追及・適切な対処が可能となった。

さらに、FA用途に特化した3Dビジョンシステムによる通い箱ハンドリングを安定稼働させた。独自開発した自動把持調整機能付きハンドで、50種類以上の通い箱へ対応するほか、AGVおよび知能ロボットと連携することが可能だ。

これにより三五は、昨今注力している自動車ボディ系部品生産の増強体制を保ちながら、物流コストの削減を実現したのだという。
今後は、他工場への自動化ソリューションの横展開採用が決定しているとのことだ。
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