今野製作所に学ぶ、ヒトとヒトをつなぐデジタル活用

2. VCPCと業務プロセスの見える化に着手

VCPCは日本企業のバリューチェーンを「プロセス志向」で改革することを目指す人たちが有志で集まり、活動するNPO法人だ。そのVCPCが提唱する「プロセス参照モデル」はレベル1~4までの階層ごとにビジネスプロセスの調査や分析を行う手法である。この手法を用い、「業務の見える化」を行えば、今野製作所の混沌とした業務状況を改善できるかもしれない。今野社長は決断した。

「月1回、専門家の方と会議を行い、それぞれの業務で何が問題になっているのか、『プロセス参照モデル』に沿って課題の洗い出しをしました。また、社員には専門家の方から個別にヒアリングを行いました。そうした活動を1年かけて徹底的にやりました」(今野社長)

今野製作所に学ぶ、ヒトとヒトをつなぐデジタル活用
油圧機器事業における業務プロセスをレベル3の階層で俯瞰したチャート

最初のターゲットは営業だった。営業は、顧客から要件を聞き出し、案件が走り出すスタートの部分だ。ところが、「業務の見える化」を進めていくと、そのスタートが既におかしいことがわかった。

たとえば、顧客から受注が決まり、設計がすでに走り出しているのに、その商品の製造に必要な部品の手配がされていないということが多々あった。突き詰めていくと、「営業マンが一人でやっていた」ことに原因が絞られてきた。

設計も同じだった。顧客から要件を聞いて構想設計を返す段階、原価の積算、見積もりの外注といった、本来の業務ではない場面で設計担当者の名前が何度も出てきたのだ。「驚いたのは、わざわざ福島工場に出張して自分で製造までしている社員がいたことです。どおりで忙しいわけです(笑)」と今野社長は振り返る。

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