ArasとBellaDati、PLMにIoT主導のインサイトを提供

ArasとBellaDatiは、戦略的パートナーシップを発表し、BellaDatiのIoTおよび分析機能を、ArasのPLMプラットフォーム「Aras Innovator」と統合する。

BellaDatiは、リアルタイムIoTデータの収集、統合、分析、可視化に特化したプラットフォームを提供している。センサや機械から収集される膨大なデータを処理し、ETL（抽出、変換、ロード）機能、BI（ビジネスインテリジェンス）機能、機械学習スタジオ、予知分析などの分析ツールを備えている。

一方「Aras Innovator」は、製品の企画、設計、製造、サービス、廃棄に至るまでの製品ライフサイクル全体で発生するCADデータ、部品表（BOM）、設計変更履歴、品質情報、顧客からのフィードバックなどの情報を一元的に管理し、部門間の連携を強化するためのPLM（Product Lifecycle Management）プラットフォームだ。

今回両製品が連携することで、実際の工場設備や出荷後の製品から得られるIoTデータが、製品の設計情報や生産データを管理するPLMシステムに直接連携される。

これにより、設計段階での想定と、実際の現場や顧客先での製品の使われ方・性能をリアルタイムで比較できるようになる。

また、設備の稼働状況や品質データをIoTで収集し、PLM内の生産計画と連携させることで、ボトルネックの発見や生産効率の向上に貢献する。

その他にも、メンテナンスワークフローの自動化やサービス部品在庫の最適化、トレーサビリティの強化や製品品質の向上、チーム全体でのデータに基づいた意思決定などを支援する。

BellaDatiのCEO兼マネージングディレクターである齋藤和人氏は、「当社の強力な統合ソリューションは、組織が迅速な概念実証（PoC）を通じてデジタル変革を加速し、本格的な生産環境へとシームレスに拡張することを可能にする。Arasとの協業により、現実世界でのユースケースに合わせたソリューションをすぐに提供でき、顧客のイノベーションと運用アジリティを加速させると確信している」と述べている。

また、ArasのCEOであるRoque Martin氏は、「BellaDatiとの提携により、リアルタイムのIoTと分析がデジタルスレッドに取り込まれることで、Arasプラットフォームの力が強化される。顧客は製品ライフサイクル全体の可視性を深め、サービス業務を向上させ、データドリブン型意思決定を加速できるようになる。そして、これらすべては統合されたPLM環境内で実現することができる」とコメントしている。

なお、この製品は、PLMソリューションの統合コンポーネントとして提供される。具体的には、Aras MarketplaceやBuild with Arasを通じて開発・展開されるソリューションエコシステムの一部として提供されるとのことだ。