株式会社ソラコムと大塚倉庫株式会社は、ソラコムのIoTプラットフォーム「SORACOM」およびローコード開発サービス「SORACOM Flux」を活用し、カメラ映像と生成AIを組み合わせた倉庫向け侵入検知システムを共同開発したことを発表した。
大塚倉庫は、大塚グループの医薬品・食品・飲料・日用品等の物流を担っている企業だ。大塚倉庫はこの春から、全国の物流現場を東京本部にてリアルタイムに可視化し、一元管理する仕組み作りに着手した。
そして今回、可視化の一例として、新たに「カメラと生成AIを活用した侵入検知システム」をソラコムと共同開発した形だ。
この侵入検知システムは、倉庫内の複数箇所に取り付けたカメラで定期的に静止画を取得し、生成AIが不正侵入者に該当する状況を検知すると、倉庫管理担当者に通知するというものだ。
具体的には、倉庫内の複数箇所にカメラを設置し、定期的に静止画を取得。これらの画像をSORACOMプラットフォーム経由でクラウドに送信し、生成AI(Google Geminiを活用)が不正侵入者に該当する「特定の服装」や「ヘルメットの未着用」といった条件を検知すると、即座に倉庫管理担当者に通知する。

これにより、録画を必要に応じて確認していた従来の方法から、システムによるタイムリーな通知を受けることができ、倉庫の安全性やセキュリティを向上させ、業務の品質を高めるとのことだ。
また、「SORACOM Flux」を活用したローコード開発により、自然言語で新たな検知条件を定義して生成AIモデルをチューニングすることができるのがメリットだとしている。
今後大塚倉庫では、他にもカメラ画像と生成AIを活用し、出荷作業を解析することで出荷ミスなどを判定、防止する研究開発も行う予定だ。
大塚倉庫株式会社のテクノロジー本部 最高技術責任者である関谷清氏は、「倉庫業界では、作業や施設を柔軟に変化させていく必要があるため、デジタル化にあたっては、リアルタイムに状況が共有されることと、それにより業務の品質を保つことを重視している。
今回、生成AIを活用した理由は、自然言語で生成AIに渡す検知条件を変更できるからだ。実際に、管理画面で細かいパラメータの変更・追加もでき、状況にあわせた調整に加え、不正侵入者検知以外の用途にも拡張していけると考えている。」とコメントしている。
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