製造業においてロボティクス、IoTなど先端技術の利活用に課題感 ーものづくり白書2018

製造の現場力の維持・向上に関する課題・強み

2018年ものづくり白書によると、製造の現場力の強みと課題に関して以下のように説明がされている。

製造の現場力の強み

強みに関しては、トップ画像にあるように、「ニーズへの対応力」がトップとなった。その他では、「試作・小ロット生産」「品質管理」「短納期生産」等が上位にランクインしている。

製造の現場力の維持・向上に関する課題

[S10-2]製造の現場力の維持・向上に関する課題

逆に課題としては、「熟練技能者の技能」が抜き出ている。

項目ごとの「課題」と「強み」との差に着目すると、「ニーズ対応力」や「試作・小ロット生産」への課題感が薄く、一方で「コスト対応力」の課題感が大きいかった。

また、「ロボットやIT、IoTの導入・活用力」や「先端技術の導入・活用力」に課題感が特に大きく、今後、克服に向けた取組が特に期待される。

品質管理

品質管理については、一連の個社の不祥事の続出にもかかわらず、現場力の強みと認識している企業が多いが、他方で課題と考えている企業も多いという結果になった。
(以上、2018ものづくり白書「概要」より抜粋)

INSIGHT

この図表で気になる点は、「製造業の現場力」が内向きになっている感じがすることだ。

大手製造メーカーの系列にある中堅中小メーカーは、このタイミングで自らの強みを棚卸しする必要があるといえる。

国内需要が先細りすることを念頭において、受け身ではなく攻めで新規の顧客開拓やサプライチェーン構築を平行して進め、攻めの体制にシフトすべきではないだろうか。

また、日本の製造業の強みは、「熟練技術者」、つまり匠によるものだと言える。

こうした強みは、ヒトの経験と知識の蓄積によるアナログ情報(暗黙知)なので現在のAIやロボットなどで簡単に置き換えることはできない。

しかし、製造業の人手不足がさらに厳しくなり、少ない若手を即戦力とすることは難しい。

これまで5年、10年掛かっていた技術継承を半年、1年で出来るように仕組みを見直さなければ、中国やアジア新興国との競争には勝てないだろう。

その解決策が、ノウハウのデジタル化(形式知)であり、その一部をAIやロボットが残りをヒトが担う「人と機械が協創する現場」だ。

欧米や中国の製造業は、工場の完全自動化を目指しているようだが、日本の製造業は、匠の強みを生かした日本流のものづくりが可能である。
(IoTNEWS製造領域エバンジェリスト 鍋野)

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