SUNDREDのビジネスプラン
小泉:SUNDREDはどこで儲けていく予定ですか。
留目:プロジェクトマネジメントのフィー以外に、事業体設立に際してのストックオプションなどのエクイティ部分を想定しています。
小泉:ファンドではないのですね。
留目:はい。お金は外から引っ張ってくれば良いと考えています。
小泉:イグジット(スタートアップの創業者やベンチャーキャピタルが投資した資金を回収する方法)までのエコシステムが、ほとんど無い日本でも、このサービスは機能するでしょうか。
留目:私は日本は、逆にイグジットのサイズが細かすぎると感じています。ベンチャーキャピタルにとってイグジットはゴールですが、産業創出においてはそうではない。つまり良い産業を作りたいのであればエコシステムが機能し産業として持続的な成長が見込めるようになるまで取り組んでいく必要があります。
SUNDREDでも保有するストックオプション等、エクイティのバリュエーションが厚くなってくれば、SUNDRED自身でも規模感のある資金調達ができたり、いろんなことができるようになると思います。
小泉:経営層自身で数字が苦手という印象を受ける方もいますが、ファイナンスを含めたビジネスプランに対するアドバイスや資本の投入があると理解して良いですか。
留目:もちろんです。エコシステムを共有しステークホルダーを巻き込んでいくことでトリガーとなる事業体の成長可能性を高めるだけでなく、優秀な経営者を採用したり、リスクマネジメントまで行うことで、ベンチャーキャピタルのお眼鏡に叶うビジネスプランを立てていく予定です。
キャビアの陸上養殖事業からはじまる六次化プラットフォーム
小泉:注目している分野があれば教えてください。
留目:特にこの分野というのはありませんが、例としては陸上養殖や医療の分野などは面白いかな、と思っています。
例えば陸上養殖の六次化(食品の加工や、流通などに生産者が関わることで、付加価値を高める)に取り組む金子コードさんのキャビア事業は、生産を行うだけでなく、シェフとも繋がり、味や品質に関するフィードバックを得ることで、商品性の向上に務めて著しい成果を上げています。

そして、SUNDREDではこれをきっかけにして、シェフのネットワークやフィードバックの仕組み、生産におけるナレッジなどを集約したプラットフォームを構築しようとしています。
他の養殖をやっている企業やその他ステークホルダーとなる企業も、このプラットフォームに参画いただくことで、陸上養殖という「産業全体」を大きくしていけるのではないかと考えています。
小泉:プラットフォーム化の先はどのような想定をされていますか。
留目:キャビアの金子コードさんの事業だけでなく他の事業者の事業もプラットフォームを活用し、世界に向けて発展するものとして相互成長していくことが理想です。プラットフォーム型事業とアプリケーション型事業の両方が有効に機能し産業として成長していくまでプロジェクトマネジメントの一環としてサポートしていきます。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。