NECは、ウェアラブルグラス用の新しいユーザインタフェース(UI)として、作業者の腕を仮想キーボード化する「ARmKeypad(アームキーパッド)」を開発した。
アームキーパッドは、ウェアラブルグラスとウェアラブルウォッチを連携させる新しい認識技術により、作業者の前腕への仮想キーボード表示と高速・高精度なタッチ入力を実現し、業務のハンズフリー化を実現した。これにより、設備保全・保守点検や検品、在庫管理といった業務の効率化を可能にする。
NECは「社会ソリューション事業」に注力しており、豊かな社会を支える情報通信基盤の提供を通じて、ワークスタイルの改善や生産性の向上に貢献する。
■背景
昨今、現場業務をハンズフリーで行なうためのウェアラブルグラスの導入が進んでいる。
例えば、設備保全・保守点検の業務では、ウェアラブルグラスでの点検帳票表示やチェック入力をデジタルに行なうシステムが検討されている。
しかし、ウェアラブルグラスの入力方法が十分整備されていないため、ウェアラブルグラスの特性が十分に生かされていないという課題があった。
これまで、ウェアラブルグラスへのデータ入力は、ボタンやタッチセンサを搭載したハードウェアコントローラを取り出しての操作や、比較的静かな環境での音声認識、機能を手の動きに割り当てて入力を行なうジェスチャ操作といった方法があった。
■ハンズフリーによるデータ入力を可能としたアームキーパッド
アームキーパッドは、ウェアラブルグラスとウェアラブルウォッチを連携させる新しい認識技術により、前腕に仮想キーボードを表示し、あたかも、腕にキーボードや入力ボタンを装着している感覚で高速・高精度なタッチ入力が可能。
アームキーパッドの特長は、次の通り。
- 作業を中断しない
手元を見ることですぐに仮想キーボードが出現し、入力操作を開始できる。このため、ハードウェアコントローラのようにデバイスを取り出す、手に持つといった動作のために作業を中断することがない。また、動作の誤検出防止機能により作業の中断を防ぐ。 - 操作性が良い
前腕上に大きなキーエリアを配置できるため入力がしやすく、仮想キーボードであるため利用シーンに合わせてキーレイアウトを自由に変更できる。また、認識精度が高くスムーズにキー操作が行なえるため音声入力が困難な騒音下での利用にも適している。 - 操作が感覚的
腕へのタッチ(振動)によって入力を判別するため、接触・非接触をしっかりと区別して検出ができ、タッチをしたことを作業者自身が確実かつ触覚的に確認できる。ジェスチャ操作による入力に比べ、作業者がきちんと操作できたかを判断しやすくなる。
NECは今後、アームキーパッドを活用したAR(拡張現実)設備点検ソリューション、保守帳票管理ソリューションを開発し、製造以外にも警備、流通、医療など、ハンズフリーの作業が必要となる業種・業務の効率化に貢献する。
なお、NECはアームキーパッドを、NECグループが開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2015」(会期:11/12(木)~13(金)、会場:東京国際フォーラム(東京都千代田区))にて、展示する。
NECグループは、「2015中期経営計画」のもと、安全・安心・効率・公平という社会価値を提供する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進している。同社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していく。
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