7月25日、26日に開催されたウェアラブルメガネJINS MEME(ジンズミーム)のハッカソン「JINS MEME HACKATHON」。今後の研究開発に役立ててることを目的としたJINS MEME の活用アイデアを競うコンテストだ。
JINS MEMEとは、眼電位センサー、加速度センサー、角速度センサーで、自分の眠気や集中度などの体の状態を知ることができるという、今までになかったウェアラブルメガネ。
一時期話題になった、Google Glassのようなカメラがついているメガネではない。
JINS MEME SDKはすでに公開されているが、JINS MEMEはまだ発売前の製品のため、今回のハッカソンはいち早く試すことができる貴重な機会となり、42名10組のエンジニアとデザイナーが集まった。
その10組の中から最優秀賞、Mashup Award賞、ニフティ賞の3組が選ばれた。
ハッカソンのサポート素材としては、大量で高頻度なデータ通信にも耐えながら100台の同時接続が行えるニフティクラウド MQTT(β)と、家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO」が提供された。
審査員は、ユカイ工学株式会社 代表 青木俊介氏、iOS専業フリーランスエンジニア 堤 修一氏、ジェイアイエヌ 佐藤拓磨氏、Rhizomatiks 堀宏行氏の4名。
最優秀賞
team 陣’sの「アルク♪サラウンド」が発表した、JINS MEMEをかけて歩くと、実際の天気や気分で効果音が変わったり、歩いた記録でRPGのようなマップができるアプリだ。
JINS MEMEをつけて歩くと、気持ちや行動に合わせて音楽が流れるようになっており、デモンストレーションでは、スーパーマリオがコインを叩くような陽気な音が流れていた。
リアルな地図とも連動し、アプリ上では歩いたところは道になり、歩きにくいところは荒野になる、歩きスマホをしたところは毒の沼になる。
帰宅後、BOCCOと連携しBOCCOが記録された内容に合わせて話しかけてくれるのだ。
おそらく、JINS MEMEの加速度センサーをうまく使っているのだろう、歩調を計測し単なる散歩をエンターテイメントにするというところが面白いと感じた。
実際に、歩いた軌跡が例えばGoogle Map上にプロットされ、そこで撮影した写真や、その時の気分も一緒に保存されるとすると、例えば旅行に行った時のことを振り返ると「あの時のあの場所って、綺麗ですごかったよねー」なんて、地図を見ながら旅を振り返るというような応用もできそうだ。
審査員からは、「外に出て歩くと地図ができ、自分が歩いた結果となって、BOCCOにデータを渡してライフログとして貯まるという、目的とやりたいことと実装のバランスがよい」という点が評価された。
Mashup Award賞
チームMEMEほしいによる「MEME SESSION」。
これは、JINS MEMEを使用した楽器演奏アプリで、頭の動きに反応して音階・音量の調整が可能で、複数人で用いるとセッションを行うことができるというもの。
実際には、JINS MEMEの加速度センサーを利用して、頭の動きと音階や音量を制御しているのだと思われる。
頭を傾けると音がなるなんて、例えば気分が乗ってる動きをすると明るい音がなり、深くうなだれると落ち込んだ音がなるというような使い方もできそうで、面白いなと感じた。
・実際に演奏している様子
ニフティ賞
チームウルトラソウによる「ウルトラソウッ!!」。
シャイな人でも自分の感情表現できる機会を与えてくれるメガネアプリ。
JINS MEMEをかけて下を向くと、あらかじめ登録した曲が流れ始め、曲のキメタイミングでドヤ顔をすると、シャイな人でも感情を表せるというもの。ドヤ顔のタイミングの良さでスマホ上でランキングされる。
JINS MEMEの加速度センサーでドヤ顔のタイミングを計り、評価を決めているようにだったが、計測結果も素早くクラウドにアップしてランキングがわかり、BOCCOが喋るというのが面白い。
さながら、カラオケでうまく歌いきって高得点がでるようなイメージのものだ。


短期間でアプリを作りこんだ部分と、ニフティクラウドを介して即座に反応する点が評価された。
最後に、惜しくも賞は逃したが、「ウェアラブルで楽しむを作る」というテーマにピッタリだった「METRiS」を紹介する。
これは、JINS MEMEをゲームコントローラーにして、懐かしのあのパズルゲームをやってみようというもの。実際に動画をご覧いただくとわかりやすい。
JINS MEMEの各センサーで取得した情報をサーバに送りゲームと連携することでJINS MEMEをブラウザゲームのコントローラーとしている。
審査員からは、「加速度センサーがあるものでコントロールしようとするアイディアはよく出てくるがJINS MEMEであるポイントが欲しかった、JINS MEMEは体軸のぶれがしっかり取れるので3Dテトリスは面白いかもしれない」というコメントだった。
イベント総括として、ジェイアイエヌの佐藤拓磨氏は「お疲れ様でした!一言でいうと、皆さんの完成度が高かったのがびっくりした。皆さんからフィードバックもらって製品に活かしたり、ハッカソンという形でコミュニケーションがとれたりするのは嬉しい。せっかくなので一緒にJINS MEMEを盛り上げてくれると嬉しい。」とコメントした。
今回のテーマは「ウェアラブルで楽しむを作る」ということで、開発段階から楽しみながら制作している参加者が多いのが印象的だった。JINS MEMEは「自分の内側」を見る真面目なヘルスケアウェアラブルだが、アイディア次第ではゲームにも音楽アプリにもなる。
今まで視力矯正とファッション以外のメガネの使い方を知らなかったが、メガネがインターネットに繋がることで、見える世界が変わるということを感じたハッカソンイベントだった。
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