大阪府箕面市と株式会社ottaは、IoTを活用し、低コストでの地域による見守りを実現する「スマート見守りシティ構想」の実現に向けた、実証事業の推進につき合意しましたことを発表した。
【取り組みの背景】
現在、少子化にも関わらず子供への犯罪被害件数が増加の傾向にある*。また、認知症高齢者の徘徊も増加の一途にあり**、その家族の法的リスクを含め深刻な社会課題となっていることから、地域の見守り体制の充実が求められている。
これに対し、徘徊SOSネットワークやGPSなどによる取り組みが幅広く行われているものの、高齢化、地域社会の構造変化による人的資源や、自治体予算の制約で持続可能性や展開規模に課題を抱えている。
他方、個別契約による民間見守りサービスは充実してきており、経済格差が拡がる中、見守りの機会平等が問われる社会となりつつある。
そのような環境の下、株式会社ottaはIoT(ビーコン技術)を効果的に取り込むことで地域による見守りの効率を向上させ、コストを抑えつつ見守り対象を大幅に拡大することを可能にする次世代システムを構築してきた。
今回、通学路への監視カメラの導入や登下校通知システムの導入、「徘徊ほっとメール」など、地域による見守りを積極的に行っている箕面市の協力で、実証事業を行うこととなった。
* 総務省統計局 統計データおよび、平成26年警察白書より
**警察庁 「平成26年中における行方不明者の状況」より
【ottaの見守りシステムの仕組み】
学校、公共施設、商店街など民間施設や家庭に設置された固定の検知端末や、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンが、見守り対象者の携行する小型端末が発信するビーコン信号を検知することによって、保護者に位置が通知される。
携行見守り端末はGPS機能を搭載する必要が無い為、製造コストを抑えることができる。また、GPS端末に比べ電池寿命が長く、頻繁な充電が不要。
検知端末も、ottaの検知端末は電源コンセントに挿すだけで設置することができ、大規模な敷設工事が必要なICタグシステムなどに比べ、導入コストを大幅に低減している。
更に、専用スマートフォンアプリの普及により、検知端末の設置箇所を必要最低限に抑えることが可能だ。アプリをインストールしたスマートフォンを携行するだけで地域の見守りネットーワークに参加することができる手軽さから、参加層が大幅に拡大することが期待できる。
【実証実験の概要】
■ 事業内容
「スマート見守りシティ構想」の実現にむけ、市内全域でotta見守りシステムを提供し、大規模導入/運用における検出精度やシステムの安定性の確認、及びスマホ向け「見守りアプリ」の効果的な普及方法などの実証検証をおこなう。
■ 対象/規模
• モバイル発信端末(見守り端末)
– 2016年夏を目途に全小中学生(約11,000人)に無償配布
– 高齢者への配布も順次実施
• 検知端末(見守り基地局)
– 市内全域を対象とし、全市立小中学校や公共施設、コミュニティバスなど500箇所以上に設置(全国最大規模)
• スマホ向け見守りアプリ
– 見守り対象者の保護者/家族から案内を開始。その後市民や企業への幅広い呼びかけを実施
■ 実施期間
2016年4月1日〜2017年3月31日
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