IoTメガネ、JINS MEME(ミーム)。このメガネとサングラスは、以前レポートした通り、つるの部分についている「加速度センサー」と「ジャイロセンサー」を活用することで体幹のずれを測定できるのだ。
さらに、専用のアプリ、JINS MEME RUNを使って情報を取得すると、ランニング時の体幹のずれが可視化できる。実際に使ってみると、驚くほど微妙なずれも測定できるのだが、「じゃ、ずれてることが分かったからどうしたらよいか?」というところまでは教えてくれなかった。
しかし、今回発表された「TAIKAN」アプリと連動することで、多くの体幹トレーニングから、自分の弱点を克服する方法まで教えてくれるというのだ。
JINS MEME RUNとは
まずは、JINS MEME RUNをおさらいしよう。JINS MEME RUNはスマートフォンのアプリだが、JINS MEMEと組み合わせることで、フォームの乱れが起きた時、ブレの大きさがわかり、かつ、フォームの変化はビジュアルというページでわかるというものだ。


このアプリとJINS MEMEを使って、実際に走ってみると、「BREAK POINT:フォーム、ペースをキープできなくなった限界地点(弱点)」という地点がわかるのだ。ランナーは、ブレークポイントをなるべく遠くになるように走らなければならないのだ。
さらに、JINS MEME RUNアプリは、フォームとペースもスコアリングすることもできる。左右バランスについえては、重心の差がわかる。これらを調べることで、フォームの改善について解析できるというのだ。その結果、体のどのパーツをどうやって鍛えるべきかを提案してくれる
自分の走りと、感覚的ずれが案外あるもので、このアプリに表示されるスコアを上げることで、タイムも影響するという。
カラダのずれをトレーニングで強化するアプリ、TAIKAN
筋トレより成果が見ずらいのが体幹のトレーニングだ。そういった成果や課題を可視化するのがTAIKANというスマートフォンのアプリだ。
まずは、実際にJINS MEME MTをつけてランニングする。筆者が実際にランニングしてみた結果が以下の通りだ。点数もイマイチだがそこはポイントではないので無視してほしい。

この結果を受けて、JINS MEME RUNアプリからTAIKANアプリを起動すると、走った結果に基づくトレーニングが提案されるのだ。
このアプリは、プロトレーナーの木場克己氏が監修をしていて、
- 目的と難易度を選ぶことで26個のトレーニングから自分のトレーングが選べる
- アニメーションと音声でガイダンスされる
- MEMEをかけてトレーニングすると、100点満点で点数化してくれる
- ヒストリーを見ると、自分の体の部位がどれくらい鍛えられているかがわかる
- 続けることで自分の体幹を良いコンディションに保つことが可能となる
という特徴がある。

JINS MEME RUNアプリと連携することで、実際のランニング時のずれを教えてくれるのだ。
下は、その結果に基づいて、TOKYO GIRLS RUN第4期メンバーでモデルの大杉亜依里氏が、実際に「片足たちから片手上げ」というメニューをやっている模様だ。
音声ガイダンスもあり、イラストで表現されているので、真似をしていくだけで鍛えることができる。
RUNアプリなど、TAIKANアプリ以外のものと連携したモードと、好きなメニューを試せるモードがあるのもうれしい。
今後の取り組み
1. マラソン大会の質を測定する
これまでは限られた施設の中でやっていた。MEMEはウェアラブルなので場所を問わない。そこで、個人だけでなく大規模な集合データを取得が可能ではないかと考え、マラソン大会のランナーのデータをビッグデータとして分析しようとしているということだ。
JINSの一戸氏は、「今後の取り組みとして、東北風土マラソンで、100人単位のフォームを見て、マラソンの競技のレベルや安全性を向上したいと述べた。」
また、その話を受け、Sun Light Histry代表でランニングコーチの細野史晃氏は、
・安全面:ランナーの走力が近い方が事故が起きづらい
・得点化:どの大会がよい(記録が出やすい)のかがわかりやすい
・主催者ときている人のギャップ:埋められると利益確保にも役だつと思う
と述べた。

2. トップアスリート指導への応用

木場克己氏によると、一般の方向けのアプリケーションだけでなく、一流のアスリートでも応用できるというのだ。
JINS MEMEをつかえばカラダのブレが可視化できるので、「説得力になる、やっていないということもわかる」「自己管理がやりやすい」「意識してトレーニングすることもできる」というのだ。
東京マラソンEXPO2016でも出展するということなので、興味のある人はエキスポに行くか、JINS MEMEの店舗で試してほしい。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。