株式会社エクサウィザーズは、福井県が生成AIサービス「exaBase 生成AI powered by GPT-4(以下、exaBase 生成AI)」を利用し、全庁での生成AI利活用の実証を開始したことを発表した。全庁でexaBase 生成AIを業務で利用可能な環境を構築し10月10日から運用を始めており、職員の生産性向上に活用していく予定とのこと。
exaBase 生成AIは、セキュリティや管理・運用の機能を実装した法人向けのChatGPTサービスである。福井県では生成AIサービスを全面展開するにあたり、セキュリティの確保やコンプライアンスの遵守を重視した。エクサウィザーズのexaBase 生成AIは、そうしたニーズに応えるため標準で以下の機能を備えている。
- オプトアウトの設定不要:ユーザーの入力データ(プロンプト)がAIの学習に利用されない。
- 禁止ワード登録:独自の禁止ワード登録によるプロンプト入力の阻止が可能。
- ユーザーログや全体利用のモニタリング:ユーザー単位や全体利用の管理・分析が可能。
- コスト制御:予算の上限を設定し、アラート配信や停止する機能を搭載。
- 日本国内のOpenAI APIに接続:ユーザーの入力データ(プロンプト)を国内で処理する。
また、福井県は検証結果レポートにおいて、2023年度下半期に「内部情報を活用する方法・環境の研究」を検討すると掲げている。これに対してexaBase 生成AIは、PDFやCSV、TXTなどの形式の独自データをアップロードし、プロンプトで問い合わせることができる機能を標準で備えている。
これまで福井県では、2023年6月14日~7月31日の期間、生成AIサービスの有効な利用法や課題を把握するため若手職員約30名による実証を行っている。具体的にはタスクフォースを設置し、「利用に適した業務やそれに対する効果」「利用にあたっての課題や留意点」「適切な回答を得るためのプロンプト導出」を主として検証を行った。
その結果、タスクフォース全体で1700回利用し、同メンバーの約95%が「生産性向上に寄与する」と評価した。多くのメンバーが、AI相手のブレインストーミングや、文書のドラフトの作成に利用し業務量の高い削減効果を確認し、AIから得る新しい異なる視点によって、業務の質も向上したと評価している。
ブレインストーミングでは新規施策による新事業の促進、ドラフト作成では住民への特定業務のお知らせ文書、そして議会答弁案の作成など様々な対象を検討した。Excelマクロによる帳票作成の自動化などのプログラミングの分野でも大きな効果を発揮した。
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