現在、大規模言語モデル(LLM)をはじめとした生成AIが、様々な業務を効率化し、新たな事業創出をもたらすことが期待されている。一方、その開発にあたっては、電力を含む巨大な計算機資源が必要であることが課題となっている。
こうした中、日本電信電話株式会社(以下、NTT)とSakanaAI株式会社は、小型で多様なAI同士が協調するアーキテクチャの研究開発に関して、協力することを定める連携協定を締結した。
NTTとSakanaAIは、これまで培った自然言語処理技術やAIアーキテクチャの設計スキルに基づき、現状の大規模AIモデルの計算量が増大していることの課題に対処するとしている。
具体的には、多数の小型AIを分散的に配置し、それらAI同士を効率的に連携させることで、単一のAIモデルの省電力化を推進することに加えて、アーキテクチャ 構造自体からの省電力にも取り組んでいく。
両社は、タスクに応じて必要な小型AIがつながり、集合体として動作するアーキテクチャを、星がつながり星座になっていくイメージをもとに「AI コンステレーション」と名付けた。
「AI コンステレーション」では、環境負荷の低減だけでなく、AI同士を自律的に協調させることで、新たな集合知が生み出されることも期待もされている。
今回の連携では、NTTが有する自然言語処理技術と、SakanaAIのAI モデル・アーキテクチャの設計スキルを組み合わせ、2つの共同検討を開始する。
一つ目の共同検討は「複数の小型AIを連携させるAIコンステレーション技術の創出」で、二つ目が、「新しい価値を創出する言語モデルの構築」だ。
NTTの代表取締役副社長(CTO)川添雄彦氏は、「光電融合技術などで省電力に取り組むだけなく、計算負荷が低いAIモデルを作ることで、環境負荷を押し下げていくことは重要です。」と述べている。
Sakana AIのCEOであるDavid Ha氏は、「Sakana AIは、小さな個々の魚が大きな群れを形成する中で優れた行動判断を行っていくような自然界の法則に着想を得て、分散的、自律的、効率的な新しい言語モデルの開発を目指しています。」と述べている。
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