サプライ・チェイン・マネジメント支援も実施
髙橋: 最後に、サプライ・チェイン・マネジメント支援についてです。日本のお客様がモノづくりをするときに仕様だけ作って、あとは中国や台湾でアウトソーシングする際、仕様書通りに作られないといったことがあります。その際、間にわれわれが入って、ODM(Original Design Manufacturing)をプロジェクト管理するサービスも行っています。
モノづくり企業とODM企業でモノづくりを進める際に、言った言わないの押し問答になってしまうことが多いためです。われわれは、実は大手企業のプロジェクトを裏方でマネージしていたりします。 費用を低く抑えようとして外注していたにもかかわらず、品質管理や問題確認も合わせてアウトソースしなかったことで、かえって多大な経費を注ぐことになってしまった、という痛い思いをしたメーカーも少なくないはずです。
小泉: そういったことまで対応されているのですね。
アリオンの東京ラボ見学
上西: 認証試験などを行うためには専門的な設備への莫大な投資が必要になる上、定期的な機材のアップデートが不可欠です。様々なソリューションベンダーの機材を取り揃えていることに加え、アリオンの特徴として、試験を効率化するためのテストツールやフィクスチャも自社で開発しています。これらは、USBやHDMIなどの技術規格を定める協会が「アリオンの製品を使ってください」と指定していることもあります。
今日は日本にある試験環境を、一部ではありますがご紹介します。
エンジニア 久保: こちらは、バートと呼ばれる専門的な試験装置で、信号を発生させお客様の製品に入力して戻し、信号の品質やエラーが出ていないかなどを評価します。アリオンでは主にUSB製品などを中心に、高速インターフェースの信号波形を確認しています。

久保: 下記はオシロスコープです。電気信号の波形を表示する装置で、20GHzまで測定することができます。こちらも、DisplayPort、USB、HDMIなど、高速インターフェースの信号を出力する製品の波形を見て評価します。

久保: 続いてこちらは信号発生器で信号を出力する試験装置です。こちらも20GHzまで対応しており、信号を出力してお客様のテレビやモニターなどの製品に入力して、画面がきれいに映るかどうかなどの評価をします。

久保: MCPCという充電器の安全認証のロゴ認証試験も行っています。MCPC認証できる製品は温度センサーがついていて、ヒーターで暖め温度が上昇してくるとシャットダウンする必要があります。そういう仕組みをお客様に実装してもらい、ある程度の温度でシャットダウンしないとパスしない試験です。
そして、下記は電子負荷と呼ばれる試験装置です。例えば、3Aの充電器を4A流そうとした場合に、シャットダウンするか試験します。数種類の試験をパスすれば、MCPCの認証試験にパスし、ロゴマークが使えます。

上西: 今日は来客があるためお見せできないのですが、他にも、Bluetooth試験用の設備ボや、Wi-Fi試験用の暗室などもあります。本日は日本の環境をご覧いただきましたが、台湾には3m四方の電波暗室が合計12機、通路の両端に方側で6機ずつ並ぶ景色は、訪問されるお客様も驚かれます。ぜひ、次回は台湾まで起こしください!
小泉: 本日はありがとうございました。
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