近年日本国内では大雨や短時間強雨、土砂災害といった自然災害の発生回数が増加傾向にあり、防災対策に対する重要性が増している。
防災対策の1つとして、地域住民の方などが身の安全を確保するための避難所に関する情報の的確かつ迅速な伝達環境の整備が挙げられる。しかし、災害発生時は情報が錯綜しやすく、避難先が分からなかったり、最寄りの避難所に住民が集中することで、収容人数を超える住民が集まってしまうといったリスクが考えられる。
またコロナ禍においては、感染拡大防止のために人と人との間に距離を確保する社会的距離(ソーシャルディスタンス)や密の回避などが求められている。新型コロナウイルスの感染対策は災害時に開設される避難所でも例外ではなく、距離の確保や体調不良者のゾーニングなどが重要になる。
一方で、そうした状況下においては各避難所の収容可能人数が従来と比べ少なくなる可能性があり、よりキャパシティオーバーのリスクが高まっている状況だ。そういった背景を踏まえ、一部の避難所に人が集中することを避け分散避難の必要となっている。
株式会社バカンとあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(以下、あいおいニッセイ同和損保)は、避難所混雑可視化に関する提携を開始し、バカンが配信する全国10,000カ所以上の避難所の混雑情報を、あいおいニッセイ同和損保のリアルタイム被害予測ウェブサイト「cmap」及びそのアプリ上に表示されるようになった。
cmapは、台風・豪雨・地震による被災地域の被災建物棟数を、最新の気象観測データに基づき現在進行形で予測し無償公開するシステムである。台風は上陸前から(最大7日先まで)、豪雨、地震による被害が発生した際は被災直後から、被災建物棟数、被災件数率を市区町村ごとに予測し、地図上に表示する。他にも洪水ハザードマップなどの機能も実装されている。
今回の提携により、利用者はcmapにスマートフォンやPCからアクセスすることで、災害発生時には避難所のリアルタイムの混雑情報や位置を地図上で確認することができる。利用するにあたり、ユーザー登録などは不要だ。
混み具合の情報は、各避難所の職員や災害対策本部の職員がインターネット上で入力することで更新され、表示は「空きあり」「混んでいる」「満席/満室」の3段階で表される。
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