品質検証のエキスパートが伝授! IoT製品の潜在リスクと対策[PR]

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IoTと技術革新によって製品区分の垣根を超えた接続性の多様化が進んだことで、様々なIT製品を駆使した新しいライフスタイルが一般的になった。例えば、帰宅時の掛け声ひとつで照明やエアコン、テレビなどの電源をONにできるようになるなど、日々の生活はますます便利になりつつある。しかし、スマートデバイスがより広く利用されるにつれ、開発現場が遭遇する問題が多くなっていることもまた事実だ。
この記事では、デバイス間の通信形態が一対一から多数対多数へと変化していることを踏まえ、製品の「クロスクラウド(複数のクラウド環境にまたがる)通信」、そして「無線信号の干渉」にありがちな問題点について紹介する。

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複数のクラウドにまたがった通信環境で遅延が発生

IoTテクノロジーは、現代の日常生活において様々な場所で役立てられている。IoT製品群が実際の環境下で使用された際の信頼性を確認するために、アリオンIoTイノベーションセンター内にあるスマートキャンパス エリアには、スマートガス探知機や警報機、施錠システムといった市販されている様々なIoT製品を設置している。アリオンでこれらの製品・設備について独自の検証を行ったところ、クラウド含めた全体で通信遅延がしばしば確認された。

アリオンが構築した検証用のシチュエーションシナリオ「There’s Smoke!」(煙だ!)は、火災発生時の状況をシミュレートしたシナリオだ。煙探知器はスマート照明とユーザーの持つモバイル端末に接続されており、施設内で緊急事態が発生した際に個人がそれぞれ避難メッセージを受信できるよう構築されている。緊急時には警報機が作動して避難アナウンスを発し、照明が点滅することで出口がどこにあるのかを示すことができる。また、他のキャンパスや施設内にいる生徒にも避難メッセージが発信される。

以下の図はデータパッケージの通信経路を示したものである。
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煙探知機は煙を探知すると、最初にWi-Fi経由で「There’s Smoke!」から「クラウド1」にデータパッケージを送信する。信号を受けた「クラウド1」は、Wi-Fiまたは4Gネットワーク経由で各モバイル端末へと緊急メッセージを送信し、同時に「クラウド2」と通信することでスマート照明をアクティブにする。
このように、通常であれば各機種同士が連携しながらスムーズに機能するはずが、我々が検証を行ったところ、クラウド1とクラウド2の間では10秒~40秒の遅延が確認できた。人命が関わっている以上、こうした動作遅延は深刻な事態を招きかねない。

IoTテクノロジーとスマートリビング

アリオンIoTイノベーションセンターでは単身者、核家族、拡大家族といった様々な家族形態を考慮した上で、様々なシチュエーションに対応したシナリオを構築している。製品が市場にリリースされる前に問題を発見し、解決することを目指している。

「ハウスシナリオ」では広い家に住む拡大家族の生活空間を再現することを目的に構築されている。拡大家族は、各々が異なるスマートデバイスを生活に取り入れていることが多いが、様々な種類のシステムやクラウドサービス、スマートハブなどによって制御されるIoTデバイスの場合、信号の干渉や性能の低下といた問題を引き起こす可能性がある。システムが混在した複雑な環境下でIoTデバイスが適切に動作するかを検証するために、ハウスシナリオでは更に幾つかのモデルケースを構築している。

無線信号干渉の問題

IoTシステムは、無線技術によって運用されることでより複雑なエコシステムを構築している。これらの信号(Wi-Fi, Bluetooth, Zigbee, Threadなど)が同じ屋根の下に共存すると、同一チャンネルの干渉や隣接チャンネルへの干渉を引き起こすことがある。

実際に遭遇した事例としては、空気清浄機を複数のスマートアシスタントから操作しようとした時、ある特定のスマートアシスタントのみ動作できなかった。当初、我々はこの原因もクロスクラウド環境下による何らかの通信遅延や分断が問題となっているのではいかと考えた。しかし、原因を調査するために無線信号のヒートマップ分析を行ったところ、実際には無線AP間の同一チャンネルによる干渉問題が原因であることが判明した。下図右側では、施設内の強いRSSI(Received Signal Strength Indicator)レートが引き金となってスマートアシスタントの性能を低下させていることがわかる。

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アリオンIoTイノベーションセンターのRSSI Rate

この問題は、APの配置場所を変更することで解決できた。ヒートマップ分析を行うことでRSSIレートを把握し、様々な無線信号を素早く、かつ視覚的に理解できるようになるだろう。

2018年4月18日(水) セミナー開催のご案内

今回の記事では、アリオンの試験結果を元に「クロスクラウド通信」と「無線信号干渉」がそれぞれ原因となる問題について紹介した。IoT製品はネットワークを介して他の製品やアプリケーションとの連携や、ユーザー行動を想定した利用ケースを検討することが求められるため、IoT製品を開発するメーカーは実際の状況を元にした製品の機能、性能、相互運用性の検証を必要としている。

こうした問題について、アリオン株式会社は2018年4月18日(水) 、IoT製品の検証に関する無料セミナー『品質検証のエキスパートが伝授! IoT製品の潜在リスクと対策』を開催する。セミナーでは、IoT検証の現場で行われている実際の検証事例を基に、IoT製品の検証実績を豊富に持つアリオンのエンジニアが、実際に遭遇した検証事例を交えながら、具体的な品質向上のためのアクションを紹介する。また今回、特別ゲストとしてIoTNEWSの代表である小泉耕二氏をお招きし、昨今のIoT市場についてご講演いただく。IoT製品検証のみならず、市場についての理解を深められるセミナー内容となっている。

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