富士通は、手のひら静脈認証の大規模な社内活用を、2018年より順次拡大すると発表した。
同社は、現在、国内約8万人の従業員が働き方改革の一環として活用を進めている仮想デスクトップへのログインを、パスワード認証から手のひら静脈認証に切り替える。
また、2拠点の事業所(富士通ソリューションスクエア、東海支社)内に設置している入退場ゲートの認証を従業員カードから手のひら静脈に変更し、そこで働く従業員約5,200人を対象とした実証実験を約1年間実施。どちらもクラウド上の基盤で、本人認証や統合的な運用・管理を行う。
利用用途
国内の従業員約8万人の仮想デスクトップのログイン認証
PC端末に内蔵、もしくは外付けされた富士通フロンテック株式会社製の手のひら静脈認証装置「FUJITSU 生体認証 PalmSecure(パームセキュア)」(以下、PalmSecure)に手のひらをかざすだけで、パスワードなどの入力の手間なく、瞬時に正確なログイン認証を行う。
複製が困難な手のひら静脈を認証に活用することで、同社が推進するテレワークなどの働き方改革に適したセキュリティ強化や利便性向上が図れるという。
また、今後は、仮想デスクトップへのログインだけでなく様々な業務アプリケーションの認証においても、手のひら静脈認証を導入していくことで、さらなる業務効率化を図るとしている。
入退場ゲートの従業員証明認証
富士通ソリューションスクエアと東海支社の2拠点の事業所において、そこで働く約5,200人の従業員を対象に、手のひら静脈認証で通行可能な入退場ゲートの実証実験を行う。
手のひらをかざすだけの簡単な動作で速やかな認証を行い、従来の従業員カードをかざす認証に比べて利便性向上とセキュリティ強化の実現を目指す。同実証実験の結果を踏まえて、他事業所のゲートや扉の認証に適用拡大を検討していくという。
システム概要
今回、仮想デスクトップのログイン認証、入退場ゲートの認証ともに、「PalmSecure」を認証装置として活用し、同社クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」(以下、K5)上にシステムを構築。
いずれも、手のひら静脈の認証・管理基盤として、「FUJITSU Security Solution 本人認証基盤 AuthConductor Server(オースコンダクターサーバ)」を活用し、あらかじめ登録した従業員の手のひら静脈のデータと「PalmSecure」で読み取ったデータを照合する。
株式会社富士通研究所の高精度な画像補正技術により、登録済みの大規模な手のひら静脈データの中から個人のデータを瞬時に照合し、確実かつ速やかな認証が可能だ。
なお、仮想デスクトップのログイン認証には、PCでの生体認証を可能にする「K5 認証サービス 生体認証オプション」を活用し、入退場ゲートの認証には、富士通ネットワークソリューションズ株式会社製の入退室管理システム「Stronguard(ストロンガード)」に手のひら静脈認証機能を対応させることで実現するとしている。
【関連リンク】
・富士通(FUJITSU)
無料メルマガ会員に登録しませんか?

技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。