道交法改正に伴い、2023年12月より、白ナンバーの営業者を有するほとんどの事業所では、アルコール検知器でのチェックが必須となる。しかし、多くの事業所では、安全運転管理者及び補助者のリソースが不足し、また、アルコールチェック費用の増大に直面している。
リスク計測テクノロジーズ株式会社とPLEN Robotics株式会社は、神奈川県が主催する「令和5年度県内産業DXプロジェクト支援事業」を通じて、アルコール・眠気リスク・ストレス度のチェックを同時に行うAI搭載ロボット「Care Cube」の実証実験を行うと発表した。
Care Cubeは、PLEN Roboticsが開発した顔認証AIアシスタント「PLEN Cube」と、リスク計測テクノロジーズが開発した音声解析エンジン「Motivel」で構成される製品で、発話音声を解析しメンタルヘルスを把握することができる。
両社は2021年に業務提携して以来、音声解析技術を利用したヒューマンエラーのリスク管理サービスの開発を進めてきた。2022年、神奈川県新型コロナウイルス感染症対策ロボット開発支援事業の一貫として小田原市鴨宮ケアセンターにてメンタルチェックの実証を行い、2023年7月に「Care Cube」として完成させた。今回のプロジェクトは「アルコールチェック」「発話音声解析」で心拍数の変化を予測し、睡眠リスクを判定するという新機能を追加するための実証という位置付けになる。
同実証実験では、Care Cubeを神奈川県内の2施設に設置し、2023年11月6日から約4週間にわたって、被験者に計測をしてもらう。被験者は、2施設を合わせて約30名としている。アルコールチェックでは、呼気をセンサーに吹きかける。眠気リスク・ストレス度は、マイクに向かって、3秒程度話しかける。これら一連の計測動作はCare Cubeがナビゲートするため、被験者の操作がスムーズに進むことが期待される。
検証ポイントは、毎日の計測結果を受けた被験者の皆様において、安全に関する行動変容が発生するかになるという。なお、この行動変容は、身体的な行動と非身体的な行動の両方を対象とする。また、Care Cubeに搭載されているセンサー類の動作確認も行う。
Care Cubeを活用することで、AIカメラで点呼(本人確認)を行いつつ、付属センサーでアルコール・眠気リスク・ストレス度のチェックを同時に行い、このチェック結果をクラウドデータベースに自動保存し、かつ、リアルタイムでの確認の実現と、異常時にアラートを通知する仕組みを検討する。
今後両社は、今次の実証実験を通して、Care Cubeの製品化を目指す。製品化は、2024年夏を予定している。
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