飲食店のスマート化への取り組み

飲食店もスマートな仕組みを導入していた。
スマートフォンで注文したものが出来上がると、スマートフォンに通知が来るとともに、ボタンが表示される。このボタンを押すと、商品の入ったロッカーがアンロックされ、扉が開き、注文した商品を取り出す、という流れになっていた。
マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどのファストフード店では、基本的にサイネージ型のメニュー選択・決済一体端末を利用していたり、スマートフォンでメニュー選択と注文をすませ、カウンターに行って商品を受け取る流れになっていた。まずは注文のためにカウンターに並ぶ日本に比べ、明らかにプロセスが短縮されている。
プロセスの短縮は人員の削減にも繋がる。
コールセンターのAI化
さらに、コールセンターのAI化も定着しているとのことだった。
淘宝(タオバオ:アリババのECサイト)で注文した商品が家に配送される前には、AIから電話がかかってきて、お届け時間に在宅しているのか、不在の場合の対応をどうするのか、といったこと自然な会話で聞いてくるという。アリババの担当者によると15分くらい話さないとAIだと気付かないくらい、人間に近い会話をするとのことだ。
利用者は、いつでも電話に出られるわけではないので、不在で持ち帰ることもある。その際も自宅に届けたスタッフが不在だったという報告を担当者のスマートフォンから行うだけで、AIが自動で電話をかけ、持ち帰った荷物をどうするか、利用者に聞いてくる。その際に、コンビニ受け取りや、管理人に渡しておく、といったオプションも選べるということだ。
中国では宅配ロッカーもあるが、現時点では日本ほど定着しておらず、マンションの管理人が荷物を預かっておく方が一般的なのだという。
次ページは、「宅配の効率化とスマートスーパー盒馬鮮生(フーマー)」
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未来事業創研 Founder
立教大学理学部数学科にて確率論・統計学及びインターネットの研究に取り組み、1997年NTT移動通信網(現NTTドコモ)入社。非音声通信の普及を目的としたアプリケーション及び商品開発後、モバイルビジネスコンサルティングに従事。
2009年株式会社電通に中途入社。携帯電話業界の動向を探る独自調査を定期的に実施し、業界並びに生活者インサイト開発業務に従事。クライアントの戦略プランニング策定をはじめ、新ビジネス開発、コンサルティング業務等に携わる。著書に「スマホマーケティング」(日本経済新聞出版社)がある。