画像認識で行う作業状況の把握
八子:実際、カメラの具体的な利用例というのはあるのでしょうか。
秋葉:作業員の業務管理に使用できないか、と検討しています。従来の物流施設はパートの比率が非常に高く、繁忙期の時だけ学生のアルバイトや派遣さんに入ってもらうという形式をとっていました。
しかし今、新しい物流施設を立てると、パートの割合が2割~3割、残りは派遣という形が多い。実はここに問題があります。地域のコミュニティに属していることが多いパートの方々に比べ、派遣の方々は帰属意識が弱く、場合によっては無断欠勤などの勤務態度にも影響することがあるのです。そうした方々の仕事をチェックする上で、カメラで記録をきちんと取っておきたいと考えています。
後はカメラの導入によってミスを防ぐ、ということもできます。例えば納品書を入れ間違えたりすれば、個人情報の漏洩などで大騒ぎになりますが、画像を取ってチェックすれば未然に防ぐことはできます。
八子:派遣社員さんも法改正によって待遇は変わってくると思いますが、先ほどお話しされたロボット活用によって人手不足に対応するとなると、将来的に物流センターの様相は全く違うものになる可能性があります。
一方で外国人の方を労働者として雇うという方向もあるかと思います。ロジスティクス業界としては、外国から人を受け入れる方法と、ロボットを入れて人の作業を補う方向、どちらで動いているのでしょうか。
秋葉:両方です。なぜなら東南アジアやベトナムなどこれから伸びていく地域の方に来てもらって、今度は帰国した際に現地でマネジメントをしてもらう、という考えのもと採用を行っているからです。
八子:人材育成への投資ということですか。想像よりもかなりコンプライアントな状態が保たれていて、ちょっと意外に思いました。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。