衛星開発の技術とは ―QPS研究所代表取締役社長大西俊輔氏 取締役COO市來敏光氏インタビュー

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今後の目標とパートナーシップ連携

吉田:一号機打ち上げの時期については公開されていないですね。

市來:はい、打ち上げ日は非公開になりますが、今年の半ば頃を予定しています。衛星もすでに完成しており、ロケットの打上日さえ確定すれば、いつでもロケットのある射場に向けて輸送できる状態になっています。

吉田:QPSが見据えている市場というのは、SARに詳しい専門的な集団なのか、SARから遠い民間なのか、どちらでしょうか?

市來:どちらも考えています。はじめは既にSARを使っている大手企業と手を組みながら事業を作り上げ、最終的には衛星データを使用したことのない民間の企業(例えばIT関連、インフラ関連、物流関連企業)に使って頂きたいと思っています。弊社がインフラを整え、ユーザー側にここまで浸透するには数年かかると思っています。

吉田:最終的な目標としては、Google Mapのように一般生活者が使えるようにしたいですか?

市來:一番望ましいのはそのレベルです。様々なサービスの裏側で当たり前に使われているものにしたいのですが、QPS一社ではそれを実現することは難しいと考えています。それゆえ、どこかと手を組んで目指していくことになります。良い衛星を作っても使われないと意味がありませんので、何よりも衛星を世の中に出して、活用されることにこだわっています。

作りたい世界のヴィジョンが関係者を集め、まとめていく

吉田:QPSは関係者の合意形成や集合体で物が作られています。今後は、いかに力を合わせて物を作るかがより重要になってくると思いますが、そのキーポイントはどこにあるのでしょうか?

市來:いかに力を合わせるか、において大事なのは「その先にある作りたい世界が見えるか」ですかね。以前のQPSは確かな技術がありましたが、組織そのものは世間に知られていませんでした。そこに私が入ってきて「地球の今を俯瞰して未来を予測する、予測を通して社会の発展に繋げていく」というヴィジョンをつくり多くの方々に説明することで、ご協力頂ける関係者を集めることができました。

大西:組織の一人一人が自分の「ここだ」というところがありながら、そこに他の人たちの意見を取り入れる姿勢がありますね。できれば一つ、とがったものを作るというところが大切だと思います。

吉田:今後のものづくりのヒントになりそうですね。本日はお話し頂きありがとうございました。

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