企業、個人問わず参画できるエコシステム作り
小泉:新産業の絵を描くのは留目さんですか?
留目:いいえ。いちばん最初の絵は誰が描いてもよいと思っていて、ブラッシュアップするプロセスはなるべくオープンにしたいと思います。
エコシステムの初期デザインをブラッシュアップし、最終的にエコシステム構想書を作り上げる、という流れを考えています。そこにもいろんな方に参画していただく予定です。
小泉:「アイデアを盗まれてしまう恐れもある」とは考えないのですか。

留目:アイデアそのものよりも、パートナーシップやエコシステムの構築プロセスに価値があるので、アイデアが盗まれたとしても同じものが実現できるとは限らないと考えています。
もう少し先の話になりますが、初期デザインやパートナーシップを公開し、それに対して賛同する方や労働力としてのパートナーを企業、フリーランスの個人問わず募るような、クラウドファンディング的な考え方も取り入れていきたいと考えています。
小泉:なるほど。しかし、企業、個人、問わず募るとのことですが、個人が参画しても最終的に資本を持つ企業から外されてしまう、という恐れもあると思うのですがその点はいかがですか。
留目:そうではない仕組みを作りたいと思っています。最初はスポンサーシップという形をとります。皆でお金と知恵を持ち寄ってエコシステムのプロトタイピングを練り、形になってきたところで資金調達と事業会社の立ち上げを行い、参画する適切なメンバーの選定と資本の割合を設定していきたいと考えています。
小泉:最初は準備会社のイメージでPoCを回すところから始めて、形になってきたところでファンディングしてビルドアップし直す、という流れでしょうか。
留目:そうですね、そういう流れを考えています。
例えばスマートホームやスマートシティといった複数の企業が関わる事業を立ち上げる際、良く用いられるのが協議会で議論した後にコンソーシアム(共同事業体)を形成するというやり方です。
しかしコンソーシアムが出口になってしまうと、多くの場合コンソーシアムには明確なリーダーシップや事業計画、資金計画が欠けていて、拡大再生産ができません。
せっかく知恵を集約するのであれば、受け皿となる事業体を作り、そこにお金や必要があれば経営者もつけてビルドアップするべきです。
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1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。