株式会社竹中工務店は、株式会社テクトムが開発・提供する建築設計AIソリューション「Tektome KnowledgeBuilder」を導入したことを発表した。
竹中工務店は、国内外で空港、オフィスビル、競技場、商業施設、生産施設、研究所、病院などの建築物の設計、施工、及び地域・都市開発を行っている。
同社では、過去の図面は主にデジタルデータとして保管されているものの、必要な情報に迅速にアクセスすることが困難なケースが多く見受けられたのだという。
実務上は、数十万ページに及ぶ図面データから特定の情報を目視で探したり、参考情報を人づてに確認したりする必要があり、過去のノウハウを設計業務に十分に活かしきれない状況が続いていた。
そこで今回、「Tektome KnowledgeBuilder」を導入。これにより、図面や議事録などの多様なフォーマットの情報を、建築士や設計者が自然言語で指示するだけで自動的に構造化し、重要な情報資産を分析・整理・データベース化することができる。

なお、今回の導入にあたり、竹中工務店では有志によるワーキンググループが複数立ち上げられ、現場のメンバーが主体となって竣工図データの構造化検証を行った。
その結果、メンバー自身が活用目的に応じた抽出項目を設定し、要件に合致する過去の竣工図の検索や、類似プロジェクトの参照、関連数値の一覧化など、実務に直結した情報を容易に引き出せる環境が整ったとのことだ。
さらに現在は、「Tektome KnowledgeBuilder」により多くの過去竣工図データを取り込み、検索軸の多様化や利便性の向上を図る取り組みが進められている。
これにより、蓄積されたナレッジを現在のプロジェクトに横展開することで、再設計の削減や品質向上に繋げる活動の活性化に寄与する。
竹中工務店 東京本店設計部構造部門の高岡俊一郎氏は、「数十万ページの図面検索から自然言語での瞬時アクセスへの変化により、ベテランの設計ノウハウが生きた知識として蘇り、設計者がより創造的業務に集中できる環境が実現した。複雑化する設計要件と働き方改革の両立を可能にするこの革新的パートナーシップが、建築業界全体の変革を牽引していくと確信している。」とコメントしている。
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