デジタルトランスフォーメーション(DX)

単純な「デジタル化」と区別がつかない方も多いDXの概念だが、DXにはビジネスモデルを新たにしたり、ビジネスプロセスを変革する力がある。ここでは、その基本と事例について紹介する。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DXは、「デジタルを中心にビジネスモデルを変革すること」もしくは、「デジタルを中心にビジネスプロセスを変革すること」だ。

ビジネスモデルは、「誰から、どういう風に儲けるか」であり、ビジネスプロセスは、「儲けるための仕組みやアプローチ」のことだ。

つまり、DXとは、決して単なるデジタル活用ではなく、デジタル時代に合わせて自社の商売を変化させることだとも言える。

一方で、社会の変化はそう急速に起きないという感覚もあり、なかなかその変化を実感することが難しいともいう。

そこで、わかりやすい例として、みなさんがレストランを経営しているとして、デジタル時代の変化を見ていきたい。

DXが必要な理由

デジタルによって大きく変わった変化といえば、「インターネット」が挙げられる。しかし、インターネットによって起きた変化としては、例えばレストランであればホームページをそれぞれのお店で作るようになった。とか、Google Map上に登録をしたとか、LINEで利用者と友達になるとか、そういうった変化であり、提供する料理自体やお店の中でのサービスについて、何かが変わったわけではない。

これまでの、インターネット上の露出といえば、「ぐるなび」や「食べログ」に掲載することが露出であったが、自分でホームページを作り、Google mapからお店が特定され、キャッシュレス決済し、LINEでのコミュニケーションが取れるようになったことで、実はお店独自のお得意様対応が可能となってきているのだ。

こうなると、LINE友達となり、お得情報などを伝えるような店舗も登場してきていて、うまくコミュニケーションを取れた店舗は、再来店を獲得することができてきている場合もよく見かける。

ホームページやSNSにお店の魅力をしっかり表現することで、検索された時に興味を持ってもらいやすくなったし、多様な決済手段に対応することで、利用しやすいという印象をうけるだろう。

これまでのインターネットの活用が、「道の見えるところに看板を出す」行為程度だとすると、これからのインターネット利用は、「顧客コミュニケーションの高度化」が可能となるのだ。

直接顧客とコミュニケーションが取れるようになると、施策を行ったレストランと、行わないレストランの間では、顧客満足度に大きな乖離が出てくる。

顧客満足度とは、レストランにおいては、単に提供される料理だけで測られるものではなく、サービスも含み多面的なコミュニケーションを含むことは言うまでもない。

つまり、デジタルでのコミュニケーションがあたりまえとなった今となっては、これまでの看板を出すようなインターネット活用ではなく、デジタル中心のコミュニケーションをどうするか、についてゼロベースで考えることが必要となるのだ。

レストランの例は身近なため理解しやすいと思うが、全ての産業においてDXを考える時、こういった「考え方の変化」を行うことが重要となる。

DXが急に話題になった理由

前述した通り、DXとは全ての産業において必要な取り組みであるのだが、これが今のように話題となったのは大きな理由がある。

90年代の経営戦略では、リアルの状態など取得するすべもなかったので、トップダウンでビジョンを作り、それを実現するためのビジネスプロセスを考え、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)として現場に落とし込もうとしていた。

「競合が誰なのか」、「市場はどう形成されているか」、などが今よりも単純でわかりやすい時代は、こういうトップダウンの考え方でよかった。

しかし、現在のように複雑な社会で、顧客の要求も多様化し、デジタル技術を駆使した企業がどんどん既存産業に入り込んでくる状況では、不確実性が高すぎて、スピードが追いつかなくなってきているのだ。

 
この不確実さを解決するためには、高度なコンピュータを使い、多くの変動要素を把握した上で、解決案を導き出す必要が求められるようになってきた。

また、機械学習やディープラーニングの登場により、コンピュータが碁のプロを打ち負かすような時代が到来したことで、コンピュータに人が叶わない部分があることを見せつけられたことで、コンピュータが未来を予測した方が的確なのではないかと考える人がたくさんでてきた。

 

そこで、現実世界で起きていることをすべてデジタル空間上にコピーし、いろんな状況を高度なコンピュータを活用して、シミューレションすることで、現実世界を動かすような考え方がユニコーンと呼ばれるスタートアップを中心に実現されるようになってきた。

その結果、既存の業界を支えていた企業が、スタートアップにどんどんその立場を脅かされる状況が起き、既存企業もデジタルありきでのビジネスモデルやビジネスプロセスを構築せざるを得ないという状況に追い込まれたのだ。

DXへの課題と今後

現状では、まだ、DX(デジタルトランスフォーメーション)が実現できている企業がすくないと感じる人が多い。これは、デジタルネイティブな新興企業にしかこういった考え方が浸透していないからかもしれない。

しかし、そういった企業に駆逐された企業がその理由を研究していて、経営そのものが古いことに気づきだしているという状態でもある。

その一方で、たくさんの人材をピラミッド型に組織し、トップの打ち出す方向性に従わせることで大きなビジネスを実現してきた企業が、いきなり、フルデジタルで、コンピュータの考える未来を実現するために人が存在するようなあり方には変質することは難しいだろう。

このスピード感と、スタートアップの成長速度をどうみるか、が今後のDXを実現するまでに持てる猶予期間であるとも言えるのだ。

DXへ向かう課題は、組織のあり方の変革でもあることから、簡単でないことは明白だ。しかし、その一方で、この課題を乗り越えられなければ、昨日までは存在していなかった企業に既存の企業は破れ去ることとなるだろう。

DXの基本と事例

DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する上で必要な基本と事例を紹介する。

DXの基本

DX(デジタルトランスフォーメーション)の基本的な理解を進めるうえで必要な記事は以下の記事だ。

国内外のDX事例

DXの世界・日本での取り組みや成功事例を紹介する。

DXインサイト

DXに関するインサイト記事を紹介する。

DXレポートより

経済産業省が発行するDXレポートの解説記事を以下に紹介する。

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