現場の期待値を超え続ける、「MotionBoard」の効果
小泉: 少しこまかい話になりますが、これまでは必要な部材がどこにあるのかわからない、という状況があったのでしょうか。
石田: はい。たとえば、倉庫の担当者が部品をまちがって別の台車へのせてしまったり、組立ラインの担当者が台車から部品をとりまちがえたりすることが実際にありました。すると、後工程の担当者は、部材の行方を探し回らないといけません。
ヤマザキマザック 長谷川雄基氏(以下、長谷川): 工場ではたくさんの台車が使われています。個別に所在管理をしていたわけではないので、気が付いたら本来の目的とは異なる使い方と場所で見つかることがありました。台車は会社の大事な資産です。資産管理の適正化という目的でも、「ID TRACKING PLUS」は活用できるのです。

小泉: 「ID TRACKING PLUS」のシステム開発には、ウイングアーク1stの「MotionBoard」を活用しているそうですね。みなさんが実際に可視化ツールをつくっているのですか?
長谷川: はい。とてもつくりやすいですよ。
小泉: どのようにつくりやすいものなのでしょうか。
長谷川: フルプログラミングする必要のないところがいいですね。GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェース)の操作だけで色々な検索画面やボードが簡単につくれます。
ツールを使っている現場から、「こういうデータの見方はできないか」、「こういうデータは集計できないか」といった要望が毎日のようにあがってきます。「MotionBoard」は、そうした要望にスムースに対応できます。
ヤマザキマザック 植松慎平氏(以下、植松): これまでは、現場要望の対応に時間がかかっていました。しかし、私たちが要望に対してすぐに応えられるようになったものですから、現場からの改善要望がものすごく加速してきました。
石田: 現場は、「お願いすれば実現する」と思ってくれています(笑)。
小泉: それはすばらしいことですね。もちろん、みなさんのように対応されている方は大変だと思いますが…(笑)。
長谷川: あと、「MotionBoard」は見た目の品質がとてもいいですね。
石田: そこはとても重要なポイントです。弊社にはデザインを大事にする文化があります。今回のツールについても、自分たちが使うだけであれば、最低限の機能的要素を満たしていればいいわけですが、工場見学に来ていただくお客様の目にも触れる以上、それにふさわしい意匠性をそなえていることが重要です。

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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。