製造現場では依然として属人的な作業が多く、技術継承や品質の安定化に課題を抱えている。「その人しかできない作業」は組織の負債化を招き、事業継続性・生産性・品質に対するリスク要因となる可能性がある。
そこで株式会社ムクイルは、IoTカメラ、センサ、映像解析、生成AIを組み合わせ、現場作業の見える化・標準化を支援する「データ解析ソリューション」の提供を開始した。
「データ解析ソリューション」は、IoTカメラとセンサで現場データを収集し、映像解析と生成AIのエンジニアが伴走しながら最適な仕組みを設計・構築することで、数値化・可視化・分析まで一貫して支援するコンサルティング型のサービスだ。
具体的には、製造現場で取得した動画やIoTセンサデータを活用し、作業の種類や動作パターンを分類する。そして、映像解析に精通したエンジニアが最適な撮影アングルやセンサ配置を提案し、収集設計から環境整備までを支援する。
また、現場で取得した映像データやIoTセンサログをもとに、「部品取り出し速度」「組み立て姿勢の安定度」などの作業指標を定義・設計し、生成AIと独自アルゴリズムを組み合わせた自動数値化モデルを構築する。
これにより、これまでは定量化が困難だった動作のスループットや品質指標を可視化し、モデルはリアルタイムの工程モニタリングや自動アラートシステムにそのまま組み込むことができる。
さらに、構築した数値化モデルと映像解析AIを活用し、蓄積データを自動で集計・可視化する。作業時間分布、品質指標(やり直し回数など)、異常動作検知といった分析結果は、グラフやチャートを交えたレポートとして定期的に提供される。

なお、定量化できるデータの例としては「作業プロセス」「品質指標」「行動パターン」「教育・評価支援」が挙げられている。
ユースケースとしては、IoTカメラで製造ラインの作業映像を撮影し、生成AIが作業者の「部品を取る」「組み立てる」「確認する」といった動作を自動分類してタイムスタンプを付与するといった作業手順標準化のためのデータ作成支援が挙げられている。
これにより、作業者ごとの手順差や所要時間のばらつきを可視化し、「標準的な手順」をデータとして整備する。

また、熟練作業者の手元や動作をIoTカメラとセンサで詳細に記録し、生成AIが「確認タイミング」や「工具の使い方」などの判断ポイントを自動抽出する熟練者の技術継承のためのデータ作成支援も挙げられている。抽出した情報を基に、テキスト・図・動画などで整理することで、新人研修用の教育コンテンツに活用することができる。

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