富士フイルム、AIで上部消化管内視鏡検査レポート作成を支援するソフトウェアを発売

内視鏡検査では、医師が患者の体内に挿入したスコープを移動させながら体内の様子を観察し、その場で診断や処置を行って、検査終了後すぐにレポートを作成する。検査中、医師は各部位を観察しながら静止画撮影を行い、多数の画像の中から記録すべき適切な静止画像を選定して検査レポートに貼付する。

検査レポートには所見や使用機材などの記録も必要で、病変など異常な所見が認められない患者に対してもレポート作成が義務付けられている。

食道がんや胃がん、大腸がんなどの早期発見に有用とされる内視鏡検査は、2016年に対策型胃がん検診での導入が推奨されたことなどから、上部・下部ともに検査数が増加傾向にあり、それに伴って内視鏡医の負担も増えている。

また、今年4月に医師の働き方改革の新制度が施行され、医療現場では医師の長時間労働を抑制するための業務効率化がこれまで以上に求められている。

こうした中、富士フイルム株式会社は、AI技術を用いて上部内視鏡検査のレポート作成を支援するソフトウェア「AR-G1」を、富士フイルムメディカル株式会社を通じて2024年9月26日より発売すると発表した。なお「AR-G1」は、富士フイルムの内視鏡情報管理システム「NEXUS(ネクサス)」のオプションとして提供されるとのことだ。

「AR-G1」は、検査中に医師が撮影した静止画像の撮影部位を認識し、画像の明るさやピントに加え、胃壁の伸展度合いや撮影方向といった日本消化器がん検診学会のガイドラインなどに則った判定基準をもとに、適切な静止画像を自動で選択してレポートに貼付するソフトウェアだ。選択された画像を医師が確認し、必要に応じて別画像に差し替えることも可能だ。

異常所見がない場合には、「NEXUS」上でボタンをクリックすることでレポート作成が完了するため、病変など異常な所見が認められない患者が多い健診施設で特に有用だとしている。

富士フイルム、AIで上部消化管内視鏡検査レポート作成を支援するソフトウェアを発売
検査中に撮影された多数の静止画像から、最適な静止画像を選択して自動でレポートに貼付している。

また、各ランドマークで撮影した画像の枚数を検査後に「NEXUS」上で確認することが可能だ。部位ごとに静止画撮影枚数を一覧表示できるため、撮影傾向の把握や研修医の指導に活用することができる。

富士フイルム、AIで上部消化管内視鏡検査レポート作成を支援するソフトウェアを発売
各部位で撮影した静止画像の枚数、特殊光観察BLI(Blue Light Imaging)モードで撮影した静止画像の枚数などを一覧で確認可能。対象ランドマークは胃7部位、咽頭、食道、十二指腸の計10部位。

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