防災
今年は日本でも様々な防災に関する課題が顕在化したが、雨量や水位、振動などのデータと、地形データに基づいて、防災のハザードマップを3Dでシミュレーションすることで、住みやすい安全な街が実現できるという。
都市のデジタルツインができていれば、ガス漏れがおきたときに、ガスがどのように広がるのかというシミュレーションを見て、対策を立てることができる。これは、実際のガス爆発が起きた際、実際の街に住んでいる人の人数などから、どういった対応が必要かについても検討が可能となる。
また、事故が起きたときに、人が慌てて移動することになるが、その場合、どこの道がボトルネックになるか、という対策の検討も可能になる。
人に優しい街の実現
IoTを使って、バリアフリー化、最適化、する動きがある。街の構造や道路事情がシミュレーションできる前提で、子供にセンサを持たせて、子供達の動きを取得する。そうすると、その結果から、スクールバスの路線図を作ったり、データからマッピング、シミュレーションをするといったアイデアも浮かぶというのだ。
持続可能な社会の現実
大気汚染や騒音、水質などのセンサーデータを集約、どこにビル風がふくか、日照状態がどうなるか、といったシミュレーションを実現することができる。
実際、ビルを一つ立てるだけで、風の影響が変わってくるものだが、専門家しかイメージができなかったことを、簡単にイメージすることができるようになる。
バーチャルコンストラクション
ビルレベルでも、3Dモデルと実際の建物のデジタルツインによって、ビルの建設状態や、工程の管理なども細かく実現することができる。
バーチャルジャパン構想実現に向けて
バーチャル・シティが構成できれば、街の管轄部門にかかわらず、横ぐしで街の管理を行ったり、対応をとったりすることができるのは前述したとおりだ。
この技術に、VRなどを組み合わせると、バーチャル市長室ができ、実際に街に入り込んでみてどういう動きになるかということを体感することも可能になる。
実際、ダッソーは、京都府と協定を結び、観光客が溢れている京都で、街をどうするかについて考えているのだという。
街が工業化によって大きく発展し、複雑になってきた今だからこそ、バーチャル空間上のデジタルツインを活用して、様々な要素を考慮しつつ、街の動きをシミュレーションする。
こういった取り組みが今後のスマートシティの分野ではなくてはならないものとなりそうだ。
関連リンク:
ダッソー・システムズ株式会社
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。