ロボット開発の環境はどう変わるのか
3番目の議題はロボット開発・運用にはどのような問題があり、「Honda RaaS Platform」はその問題をどう改善したのか、ということ。
本田技術研究所・東氏はWi-Fi通信で稼働エリアが限られること、ネットワークと開発環境が分断されていること、複数の開発環境でオンサイト(現場)要員を位置するのが負担になっていることなどを問題点として述べた。
その上で「Honda RaaS Platform」において、それらの問題がどう変わるのかについても説明した。

まず稼働エリアの問題については、セルラー通信を使うことによってエリアの制約から解放することができたという。また、クラウド上でのやり取りによって、ネットワークを介してシステムを共有するなど、開発環境の分断にも対応することができる、と東氏は語った。
SORACOMのサービスで何が変わったのか
4つ目の議題は「SORACOMのサービスを使うことで、ロボット運用に変化はあったのか」。
「Honda RaaS Platform」では各ロボットの稼働状況を吸い上げる際に、SORACOMの提供するサービス「SORACOM Beam」を利用している。
「SORACOM Beam」はIoTデバイスにかかる暗号等の高負荷処理や接続の設定を、クラウドにオフロードできるサービスだ。

この議題については、本田技術研究所・西宮憲治氏が「セキュリティ性が高く、ロボットを乗っ取られる心配などがないこととと、セルラー通信を利用することでエリアの制約を受けないこと」と答えた。
次ページは、「クラウド制御におけるリアルタイム性と今後」
無料メルマガ会員に登録しませんか?

1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。