【概要】
■ IoTの国内市場規模は2015年度に2,930億円と14年度比69.1%増の見通し
■ 19年度の予想は7,159億円で、14年度から年平均32.8%の成長率
■ IoT導入企業が最も多い業種は「製造業」、導入の課題は「セキュリティ対策」
株式会社 M M 総研は、「モノのインターネット」であるIoTの国内市場規模について、2014年度実績および2019年度までの予測を初めてまとめた。
それによると、国内IoT市場規模は2014年度に1,733億円となり、2015年度には2,930億円と前年比69.1%と急増する見通しだ。その後も急拡大を続け、2019年度には7,159億円に達すると予測している。
コスト改善や製品付加価値の向上等を背景に、IoTの導入が加速しており、14年度から2019年度までの年平均成長率は32.8%となる。
この調査は国内企業4,299社を対象に昨年11月に実施したアンケートなどをもとに取りまとている。
2019年度における国内IoT市場規模の分野別割合は、「アプリケーション開発・運用」が28%と最も多く、次いで、「IoTプラットフォーム/システム構築・運用」が24%、「ネットワーク/コネクティビティ」が19%、「センサー/デバイス」が17%であった。
企業向けのIoT市場では「アプリケーション開発・運用」と「IoTプラットフォーム/システム構築・運用」のレイヤーを合わせると投資額の5割以上を占めるのが特徴として見られる。
【IoT導入企業が最も多い業種は「製造業」】
回答企業全体(n=4,299)のうち、IoTを導入している企業は469社(10.9%)だった。
導入企業の業種割合は、33.0%と「製造業」が最も多く、次いで「サービス業」が13.4%、「情報通信業」が12.2%であった。
「製造業」が最も多い理由として、「生産効率の向上」や「製品の品質向上」など製造現場で取り組んできた改善活動がIoTを受け入れる下地になっていることがあげられる。
【IoT導入の課題は「セキュリティ対策」】
IoTを導入または導入を検討している企業の課題は、「情報漏洩やサイバー攻撃の不安」が1位(33.1%)、「システム構築・運用コストの削減」が2位(26.6%)、「システム構築・運用業務の効率化」が3位(25.4%)であった。
IoTを導入する企業は、自社の生産設備や機械、施設、製品をネットワークに接続することで重要なデータの流出や外部からのサイバー攻撃の可能性を懸念している。
また、今後の課題解決の取り組みでは、ネットワークセキュリティの強化やシステム全体のセキュリティ対策を検討している企業が多かった。IoTソリューション事業者には、セキュアネットワークやセキュリティソリューションの提供が求められている。
【調査概要】
1.調査対象 :全業種を対象に国内企業 4,299社
2.調査方法 :Webアンケート
3.調査期間 :2015年11月20日~11月25日
【関連リンク】
・MM総研
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