配送業界では、配送の需要が増える一方で、傭車(※)を使用した運送においては、運行状況を把握するIoT機器の常設が難しいという課題があった。
このような中、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)と米国現地法人であるNTT DOCOMO USA,Inc.(以下、ドコモUSA)および、伊藤忠ロジスティクス株式会社(以下、伊藤忠ロジ)と米国で物流業を展開するITOCHU LOGISTICS(USA) CORP.(以下、ITOCHU LOGISTICS USA)は、IoT向け通信規格「LTE-M」を活用して、傭車の運行状況を見える化するソリューションの実証実験を2019年5月1日から6月28日まで、米国で開始する。
同ソリューションは、低消費電力通信が可能な規格「LTE-M」を利用して、バッテリーやソーラーで駆動する、取り外しが可能なIoT端末を傭車に設置し、運行状況把握の自動化を図ることで、効率的な運送管理を目指すものだ。
これまではドライバーへ電話確認で到着確認を行っていたが、同実証実験では専用のポータルサイトで、位置情報や急ブレーキの頻度、対象の荷物が目的地に何時に到着したか、リアルタイムで24時間閲覧できるようにするほか、傭車が配送先に近づくと配送先の顧客と伊藤忠ロジにメールで通知し、運行状況の見える化を図る。
配送ネットワークはITOCHU LOGISTICS USAのものを活用し、運送の位置管理や安全管理の有効性を検証する。伊藤忠ロジが取得可能な情報として、他にも温度や湿度、明るさなどもあり、運送するものに合わせたニーズに対応が可能だ。
同実証実験は、法人顧客のIoT製品のグローバル展開のために、ドコモがグローバル回線・オペレーション・コンサルティングをワンストップで提供するマネージドサービス「Globiot」および伊藤忠ロジの物流ソリューションの一環であり、今後、同ソリューションを米国以外に日本およびアジアでも展開していくことを目指すとした。
※傭車とは自社保有ではない運搬車両。
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