Dell Technologies(以下、デルテクノロジーズ)は、企業がテクノロジーとどのように向き合うべきかの指針とするため、2030年までにテクノロジーがどのようなインパクトを与えるかをリサーチした。このリサーチは、「REALIZING 2030」というプログラムで行われ、「経済」、「ビジネス」および「生活」という3つの場面でのインパクトをInstitute for the Futureとパートナーを組んで調査している。
経済に関するレポートは本年4月に発表されており、今回は、2030年までにテクノロジーがビジネスに与えるインパクトを予測したレポートを発表した。
同調査では、AI、XR(拡張現実)、IoT、新しいデバイス、マルチモーダル インターフェイスなどのテクノロジーにより、ビジネスのあり方が大きく変化し、「インクルージョン」、「人材のエンパワーメント」、「AIのフル活用」が進むと予測している。
- インクルーシブな人材環境(Inclusive Talent)
採用候補者を性別や年齢、階級などではなく、能力に基づいて評価することで、より公平・公正な労働環境づくりが実現する。AIを利用することで、採用時のバイアスを減らすことが可能になる。デルテクノロジーズが世界40カ国以上、4,600人のビジネスリーダーを対象に実施した調査(以下、デジタル トランスフォーメーション インデックス)では、リーダーの67%が、意思決定で人によるバイアスを排除するために新しいテクノロジーを使うつもりであると回答した。 - 人材のエンパワーメント(Empowered Workers)
XRなどのテクノロジーを活用することで、これまでとは違う没入的な環境で働くことができるようになる。離れた場所にいても、チームメンバー全員が同じものを見たり、触ったりしながら、一緒に働くことが可能になる。デジタル トランスフォーメーション インデックスでは、リーダーの86%が生産性向上のために、最先端のテクノロジーを採用する予定であると回答した。 - AIをフル活用(AI Fluency)
AIは人に取って代わるのではなく人の能力を補い増強する。AIを使いこなす人材は、AIを使ってワークフローを管理したりタスクを達成することができ、集めたデータをどのように使うべきかを簡単に理解することができるようになる。デジタル トランスフォーメーション インデックスでは、リーダーの70%が人の限界を超えるためにロボットや機械をパートナーとして活用できる人材を歓迎すると回答した。
同資料では、未来を象徴する最先端の働き方として、スカンジナビアのVFX(視覚効果)およびデジタルアニメーションスタジオの1つであるImportant Looking Pirates(以下、ILP)を紹介している。同社は、デジタルの未来はアーティストに最先端のリモートワークステーションを提供して、プロジェクト間を簡単にシフトできる環境づくりにかかっている。
現在、ILPは、VFXを安全な環境の遠隔地から提供しており、アニメーターは遠隔地から短時間で画像を3次元化したり編集したりすることができる。ILPは、テクノロジーの活用は人を中心とした活用であり、人の創造性、意欲、生産性を最大化するためのものであると考えている。
デルテクノロジーズは、今は「データの時代」だと述べている。データはイノベーションを起こし、ビジネスプロセスを向上するための鍵を握っている。さらに、すべてのデータをフル活用するエンド・ツー・エンドのIT戦略を行うと、社員のエンパワーメントも行うことができる。データを効果的に管理、分析、処理、保護するためには、強力なデバイス、アプリケーション、ソリューションが必要だ。
新しい可能性を引き出すために、世界中の社員がつながり、コラボレーションを行う環境を確保する必要がある。レガシーシステムやデータの氾濫、変化に抵抗する従業員の扱いに苦労している企業が多い中、インフラストラクチャーを最新鋭化し、従業員の意欲を高め、適切なアプリケーションの統合を実現することが、企業を優位な位置に立たせると発表した。
人とマシンのパートナーシップには、アルゴリズム的なバイアス、デジタル スキルのギャップ、社員の権利と保護などのさまざまな課題もある。しかし、これらは克服可能な課題であり、一部の企業はすでにこの課題に取り組んでいるとレポートしている。
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