NVIDIAは、AI分野の専門知識に対する需要の拡大に応えるため、NVIDIA Deep Learning Institute(以下、DLI)を通じて今年中に10万人(2016年の10倍)の開発者をトレーニングする計画があることを発表した。
IDCのアナリストは、「2020年までに、全アプリケーションの80%に何らかのAIコンポーネントが搭載されるだろう」と予測している。DLIは、開発者、データサイエンティスト、研究者に、最新のAIツールやAIテクノロジーの使い方に関する実践的なトレーニングを提供する。
DLIは、公開イベントなどで、世界中の開発者向けにトレーニングを提供してきた。また Adobe、Alibaba、SAPなどの企業や、アメリカ国立衛生研究所、National Institute of Science and Technology、バルセロナスーパーコンピューティング センターなどの政府系の研究機関、他にテマセクポリテクニック(シンガポール)、インド工科大学(ボンベイ)などの高等教育機関でも、オンサイトのトレーニングを実施している。
インストラクター主導型のワークショップのほかにも、NVIDIAソフトウェアやクラウド上の高性能なアマゾン ウェブ サービス (AWS)EC2 P2 GPU インスタンスを利用することで、開発者は、最新のディープラーニング技術に関するトレーニングにオンデマンドでアクセスできる。既に1万人以上の開発者が、AWSを利用し、ディープラーニングの応用的な使い方に関するNVIDIAのトレーニングを受けているという。
NVIDIAは、DLIのカリキュラムの幅を拡大し、自動運転車、医療、ウェブサービス、ロボット工学、ビデオ分析、金融サービスなどへのディープラーニング技術の応用にも対応。講座は、クラウド上のNVIDIA GPUを使用し、アマゾン ウェブ サービスやGoogleのQwiklabsを介してオンラインで提供されるが、インストラクター主導型のセミナー、ワークショップ、クラスもあわせて実施することにより、アジア、ヨーロッパ、および南北アメリカの開発者にトレーニングを届ける。NVIDIAは、現在、Udacityとの協力のもと、自動運転車の開発に向けたDLIコンテンツを提供している。
DLIのハンズオンラボを指導するのは、NVIDIA、パートナー企業、および大学の認定専門インストラクターだ。各ラボでは、ディープラーニングの基礎(オブジェクトの検知や画像の分類を目的としたAIの利用など)のほか、がん治療で最善のアプローチを決定するためのAIの活用方法なども学習できるという。また最上級コースでは、自動運転車の開発に向けてのNVIDIA DRIVE PX 2やDriveWorksといったテクノロジーの使い方も学べる。
NVIDIAは、2017年の目標を達成するため、以下の施策を通じてDLIを拡大するとしている。
- 新しいディープラーニング トレーニング ラボの開設
NVIDIAは、アマゾンウェブサービス、Facebook、Google、Mayo Clinic病院、スタンフォード大学、およびディープラーニングの主要なフレームワークをサポートするコミュニティーとの協力を通じ、Caffe2、MXNet、TensorFlowを利用したトレーニング ラボの共同開発を行っている。 - 教育者向けの新しいコースウェアの開発
NVIDIAは、FacebookのAI研究所所長でニューヨーク大学のコンピューター サイエンスの教授であるヤン・ルカン (Yann LeCun) 氏との協力を通じ、「DLI Teaching Kit (DLI 教育キット)」を開発。このキットは、PyTorchフレームワークを利用し、GPU上でのディープラーニングの学術的理論と応用について扱う。既にオックスフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校などで、何百人もの教育者がDLI教育キットを使い始めている。 - 新しい DLI 認定トレーニング パートナー
NVIDIAは、トレーニング資料の提供や、Hewlett Packard Enterprise、IBM、Microsoft などのインストラクターの認定を行うことで、DLI のエコシステムを拡大している。
NVIDIAは、Microsoft Azure、IBM Power、IBM Cloudの各チームとも協力し、ラボのコンテンツをそれぞれのクラウドソリューションに移植している。
DLIは、シリコンバレーで今週開催されているGPUテクノロジカンファレンスで、14種類のラボを提供し、AIの応用に関し、2,000人以上の開発者をトレーニングしている。
【関連リンク】
・エヌビディア(NVIDIA)
・アドビ(Adobe)
・アリババ(Alibaba)
・エスエイピー(SAP)
・アメリカ国立衛生研究所(NIH)
・グーグル(Google)
・アマゾン ウェブ サービス(AWS)
・フェイスブック(Facebook)
・スタンフォード大学(Stanford University)
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